(1)KDDIがNFC携帯電話の実証実験をスタート

2010年6月9日 00:01

20社以上が参加しNFC携帯電話の実証実験をスタート
店舗での決済、情報取得、IC運転免許証での活用などをテスト
 

KDDIはNFC(Near Field Communication)携帯電話を用いてISO/IEC14443タイプA/Bに準拠したさまざまな非接触IC技術の実証実験を5月1日から開始している。実験では20社以上の協力企業と連携し、NFC携帯電話のICカード機能、リーダライタ機能、Bluetooth起動などを活用したアプリケーションについての検証を予定している。この実証実験により、クレジットカードなどの決済サービス、国内外の交通機関への対応、IC運転免許証などの公的証明書との連携、チケットサービスやICタグを搭載したポスターにかざすことによる情報取得など、数多くのサービスを1台の携帯電話で利用可能とすることをKDDIは目指している。 

NFC携帯電話とは何か? 

今回のKDDIが行う実証実験の内容 

今回の実験の設備構成
NFC (Near Field Communication)とは、ISO (国際標準化機構)で規定された国際標準の近接型無線通信方式で、タイプA、タイプB、FeliCaの通信方式に対応し、非接触ICカード機能やリーダライタ機能、機器間通信機能などが利用できる。今回、実証実験に用いるNFC携帯電話はauの携帯電話をベースに開発した試作機で、国際標準ISO/IEC14443 タイプA/Bに準拠した仕様に対応した複数の非接触アプリケーションが、1台の携帯電話で利用できる。NFC携帯電話は東芝、アプリケーションや個人認証を行うTSM(Trusted Service Manager)設備はジェムアルト、UIMカード(User Identity Module Card)は東芝とジェムアルトの両社がそれぞれ開発した。そしてその仕様は、可能な範囲で最大限、国際標準化された規格に合わせている。主な仕様としては、NFCコントローラーとUIMカード間の通信にSWP(Single Wire Protocol)を利用可能としたこと、カードアプリケーション(カードアプリ)をUIMカード上に搭載可能としたことが挙げられる。これは携帯通信事業者の国際的な団体であるGSMAの分科会であるPay-Buy-Mobileの指定する仕様を満たしているという。

KDDIが協力企業と共に行う今回の実験では、NFC携帯電話にカード機能、リーダライタ機能、Bluetooth連携機能を搭載し、複数のアプリケーションを実利用に近い形で無線ネットワークにより携帯電話にダウンロードし、UIMカード上に搭載し、処理動作や運用面などでの検証を行う。

実験の実施企業はアイ・ビー、アイワイ・カード・サービス、オリエントコーポレーション、クレディセゾン、じぶん銀行、ANA、大日本印刷、TOHOシネマズ、凸版印刷、トヨタ自動車、日本遠隔制御、JAL、ビー・ユー・ジー、T-Engineフォーラム、IC運転免許証。協力企業としてNTT
データ、ジェムアルト、テックファーム、デンソーウェーブ、東芝、凸版印刷、野村総合研究所、日立製作所、マスターカード・ワールドワイドが名を連ねる(実験実施企業と協力企業)。

今後の実験のスケジュールとしては、秋から大日本印刷、凸版印刷とスマートポスターの情報をNFC携帯電話のリーダライタ機能で読み込む企業内でのインナー実験を予定している。MasterCardの非接触IC決済方式である「MasterCard PayPass」などの決済関連、IC運転免許証をNFC携帯電話で読み取る実験は年末の開始を想定する。なお、4月22日のプレスリリースの段階では、今年12月までの検証となっているが、場合によっては2011年に終了がずれ込む可能性もあるという。

今年はMasterCard PayPassのカード機能だけでなく  

リーダライタ機能についての認定を目指す

NFCの各機能を活用した具体的な利用イメージ

MasterCard PayPassの実証実験についてはオリエントコーポレーション、クレディセゾンの協力を得て実施するが、カード機能としてはもちろん、携帯電話をリーダライタとして活用するシーンも想定する。「例えば、出前のお弁当屋さんの携帯電話と、お弁当を購入する方の携帯電話をかざしあい、MasterCard PayPassを利用し、決済処理をするイメージです」(KDDI 新規ビジネス推進本部 事業開発部 モバイルIC企画グループ 担当部長 阪東謙一氏)。同社ではMasterCardの仕様が固まり次第、MasterCard PayPassのカード機能、リーダライタ機能に関しての認定取得を目指していく予定だ。

NFC携帯電話の実用化のタイミングについては「NFC搭載のタイミングは決定していませんが、担当の想いとしては実験を通じて得た成果をもとに商用化につなげていきたいです。今回は日本に加え、欧州、アジアでのフィールド実験を予定しています。フランスや韓国などはNFCが商用化されようとしているため、その動きを日本全体に広げていきたい」と阪東氏も力を込める。

NFC携帯の収益性については「商用化も未定であり、現時点での判断はつきかねる」(阪東氏)としている。それよりもむしろ、NFC技術を活用することによりポイントやクーポンなどのCRM、レコメンデーション、デジタルサイネージとの連携、ペーパーレス化の推進などにより、携帯電話自体の付加価値を高めていきたいという。

KDDIのこれまでの取り組みと 

今後のNFCの可能性について 

KDDIでは2004年から、携帯電話を利用した非接触ICの実証実験を数回にわたり実施している。同社がNFCに着目した理由として阪東氏は「海外との相互互換性を持ち、多くの機能を搭載しているNFC携帯電話は“生活ケータイ”として大きな可能性があります」と説明する。NFC携帯電話には多くの機能が搭載されることから、利用シーンは多岐に渡ることが予想される。また国際標準化された規格であることから、世界23カ国以上で同様の実証実験が活発に実施されており、特にフランスでは商用化に向け、クレジットカード、交通乗車券、スマートポスターなどの実証実験が行われる。例えば日本人が海外に渡航した際、NFC携帯電話にクレジットカード、乗車券のサービスを搭載しておけば、NFC携帯電話をリーダライタにかざすだけでクレジットカード決済や地下鉄の乗車/運賃の支払いをすることも可能である。また、ICチップの搭載されたポスターや地図、案内板にNFC携帯電話をかざし、その情報を読み取ることで、利用者は日本語で情報やサービスを受け取るといったこともできるようになる。そのほかにも、デジタルサイネージやパソコン、テレビに埋め込まれたICチップに、NFC携帯電話を近づけるだけでBluetooth接続させ、大容量のデータ送受信が可能になる。 

同実験での結果をもとに、KDDIは携帯ユーザーの日常生活の中で利便性の高い「かざす」サービスの普及を目指し、近い将来の携帯電話を用いたNFCサービス導入に向けて、引き続き検討していく方針だ。そして、KDDIは国内において普及しているFeliCaサービスに加えて、NFCを使う新規サービスや、世界各国において提供されているサービスなど、世界中でさまざまなサービスを利用できる携帯電話の提供を目指していく。

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