2012年9月10日23:40
富士通フロンテックと大日本印刷(DNP)は、国内のUHF帯新周波数(920MHz)に合わせて最適化するとともに、従来製品と比べて約50%の低価格化を実現した書類管理用ラベルタグの新製品を販売開始すると発表した。出荷は2012年11月末を予定しており、今後3年間で10億円の売上を目指す。
同製品は、1~2mm間隔に重なってファイルされた1,000枚の書類を、約30秒で読み取ることができ、また通信距離も長いため、書類管理業務の大幅な効率化を実現するという。
両社は1~2mm間隔で重なっていても読み取れる精度の高いUHF帯RFIDタグ「書類管理用ラベルタグ」を2009年9月に製品化し、現在までに両社合わせて500万枚を出荷している。これらの実績をもとに、書類管理用ラベルタグのさらなる普及を目指し、今回、多くの要望が寄せられていた低価格化を実現するとともに、国内新周波数(920MHz)の性能を最大限に引き出すために、アンテナ設計技術、タグ製造技術を駆使し同製品を開発したという。
同製品は、1~2mm間隔で重なった書類が棚や段ボールに保管されている状態でも、ハンディターミナル型のリーダーを使用して1,000枚の書類を30秒で読み取ることができる。書類検品業務や棚卸業務などを迅速かつ確実に行うことができるため、一連の管理業務の負荷を大幅に軽減する。
また、顧客の個人情報を扱う金融機関などでは、個人情報を記録した重要書類の管理を厳密に行う必要があるが、同製品を書類に貼付することにより、閲覧管理、棚卸しなどの作業を正確かつ迅速に行うことができ、セキュリティ管理の精度を向上することが可能だ。
さらに、通信距離が6~7mと長いため、書類などに貼付した同製品を自動で読み取るゲートアンテナを保管庫などの出入り口付近に設置しておけば、許可された書類以外のものを持ち出そうとしても、ゲートを通過する際に検知できるため、不正な持ち出しや盗難を抑止することができる。
また、ラベルプリンターを用いることで、現場でRFIDタグへのデータの書き込みや印刷などの作業ができ、効率的な運用が行えるという。