2011年8月25日12:46
大日本印刷(DNP)と富士通フロンテックは共同で、1~2mmの間隔で100枚ほど重なっても一括読み取りできる低価格でコンパクトなUHF帯IC小型ラベルタグを製品化し、2011年11月から発売すると発表した。
同製品は、サイズが55×15mmと小型で、価格も1枚10円台とUHF帯ICタグの従来品に比べて、大幅な低価格を実現しながら、通信距離は約5mを確保している。物流や流通、金融、医療など幅広い分野の業務効率化を図ることが可能だ。
従来は、読み取る対象に貼り付けたUHF帯ICタグが近距離で重なりあうと、読み取り率が低下してしまう事が問題となっていた。同製品は、ICタグが1~2mmの近さで接していても、個別に認識をした上で一括読み取りできるアンテナパターン技術を導入しており、薄い書類などに貼り付けて100枚程度重ねた状態でも、一度に正確に読み取ることができるという。
また、小型サイズでありながら長い通信距離を実現しているため、ゲート通過時の一括検品、倉庫でのモバイル型リーダーライターを利用した棚卸業務などに利用できる。小型のため、タグを貼り付ける場所の制約が少なく、多様な用途に適用できる。また、ラベルプリンタでバーコードや文字などを印字できるため、目視情報の印字やバーコードシステムとの連携も可能だ。
同製品は、安価な材料の使用と効率的な生産によって、10万枚/ロット時で、1枚当たり10円台を可能とした。また、総務省によって2012年下期に移行が予定されている新しいUHF帯周波数(920MHz)にも完全対応している。現行周波数帯(950MHz)と同等の通信距離を維持しているため、移行後も業務効率を低下させることなく継続して運用できるという。
DNPと富士通フロンテックは、今後3年間で約1億枚の販売を目標としている。