2014年6月27日19:36
STマイクロエレクトロニクス(ST)は、厚さ0.25mm未満の充電式バッテリ「EnFilm」の限定生産を開始したと発表した。この超薄型バッテリは、現在の標準バッテリの物理的な寸法の制約から設計者を解放するとともに、次世代の携帯型機器やIoT(Internet of Things)機器の電源にも利用できるとしている。
STの固体リチウム薄膜バッテリ「EnFilm」であるEFL700A39は、厚さが220μm、寸法が25.7mm×25.7mmのため、超小型機器に適しているそうだ。また、表面実装型端子が、回路基板への直接取り付けを可能にするため、組み立てが簡略化されると同時に、配線やコネクタが不要になる。さらに、オプションで用意されているテープ/リール式パッケージにより、高速自動実装にも対応する。
EFL700A39のバッテリ仕様は、電圧3.9V(標準値)、容量0.7mAhで、幅広いアプリケーションへの電源供給が可能だ。そのリチウム技術により4.2V充電回路からの急速充電に対応。また、低容量損失および長寿命であるため、1日1回の充電で約10年間使用できる。EFL700A39は、RoHS指令、UL認証、バッテリ輸送時のUN試験・基準、IEC 62133安全仕様、およびスマートカード用の構造・柔軟性の規格であるISO7816/IEC10373に準拠している。
STは、無線センサ、RFIDタグ、スマートカード、ウェアラブル機器、体内埋め込み型でない医療用モニタ機器、環境発電製品のバックアップ電源または蓄電池等のターゲット・アプリケーション向けに、サンプル出荷ならびに少量生産が可能だ。単価は、5個購入時に約30ドルとなっている。