2010年9月14日11:50
大日本印刷(DNP)は9月14日、ラベルプリンタで連続発行が可能な業界最薄の金属対応UHF帯ICタグラベルを開発し、2011年1月から販売を開始すると発表した。
通常、ICタグのアンテナは、金属と密着した状態では電波を効率的に捉えることができなくなる。そのため、従来は、アンテナと金属の距離を開けて密着させないことで、電波を捉え通信を行っていた。しかし、アンテナと金属の距離を保つための樹脂モールド品は金型が高価であることや、厚型の個片ラベルは高速加工に適しておらず低価格化が困難であったという。
DNPは、導電材料を独自のパターンでラベル内に積層させることで、金属に密着した状態でも、アンテナが電波を捉え通信を可能にした。また、今回開発したICタグラベルは、薄い材料を連続で積層することで加工コストを低減し、従来製品に対して約半分の低価格化を実現した。素材がフィルムであるため柔軟性があり、曲面への貼り付けも可能だ。さらに、ICへのデータエンコード機能を持つプリンタで連続発行することが可能なため、印字やデータエンコード作業負荷を大幅に軽減し、発行コストの低減も実現している。
UHF帯ICタグラベル製品寸法は長辺40mm×短辺20mm×厚さ0.5mm。通信距離は0~13mmとなっている。価格はロット10万個で1個100円(税抜き)。
DNPは、金属製品メーカー、金属製の部品や工具を扱う整備事業者、自動車及び関連メーカー、航空会社などに向けて金属対応UHF帯ICタグラベルを販売し、2011年度までに約5億円の売上を目指す。