2021年1月29日9:27
日本総合研究所(日本総研)、QUADRAC、神戸電鉄、神鉄タクシー、大和自動車交通、筑紫が丘自治会、NPO法人まちなか☆モビリティー神戸北、三井住友カード、みなと観光バスは、神戸市北区において実施しているラストマイル移動サービスの実証を拡張させ、有償によるローカルMaaSの実証実験を開始すると発表した。
同実証実験は、ラストマイル移動サービスと既存公共交通の連携のほか、移動以外の多様なサービスの提供によって地域のスマート化を図る「ローカルMaaS」の社会実装を目指して実施するという。同実証実験用に開発したローカルMaaSのアプリは、マイカーに頼らない地域内外の移動をスムーズにし、地域内外の商店・企業等と地域をつなげ、住民同士の関わり合いの機会をつくる機能を備えているそうだ。同実証実験では、このアプリの運用を通じ、ローカルMaaSの有用性と事業性を検証すると共に、ローカルMaaSが住み心地のよい地域づくりに役立つかを検証する。
同エリア内に限定したラストマイル移動サービスでは、同エリア内のあらかじめ指定された78カ所の乗降ポイント間をオンデマンドで利用できる(まちモビ☆アプリか電話による前日予約が可能)。同じ時間帯に同じ方向に行く人は最大3人までの乗り合いが可能。月額乗り放題1,500円の月会費を払うか、一日券300円を購入して利用(2021年1月12日から開始している無償での運行を、2月1日から有償に切り替え)できる。
乗り継ぎ支援では、当エリア内の路線バス(阪急バス、みなと観光バス)の停留所別の時刻表および 鉄道駅(市営地下鉄、神戸電鉄有馬線)の時刻表を表示。また、ラストマイル移動サービスと路線バス(みなと観光バス)の車両の現在位置を、地図上にリアルタイム表示する。さらに、ラストマイル移動サービスと路線バス(みなと観光バス)のチケットをキャッシュレス で事前購入(クレジットカード決済のみ)できる。乗降時はまちモビ☆アプリ上に表示されるQRコードを車内のリーダーにかざして利用可能だ。
プロモーション機能では、来店に必要な交通費の全部または一部を負担する地域内外の商店等と利用者とのマッチングを行うサービスを提供する。使用した交通機関の領収書を商店等が確認後、事前に決められた負担分を利用者にポイントバックする(ポイントは Amazonギフト券に交換が可能)。また、ラストマイル移動サービスで使用する車両(ダイハツ工業「トール」)の車体広告(車両の左側面か後方にマグネットで貼付表示)および車内ディスプレイでの広告配信(動画等)を提供する。
そのほか、健康診断の結果や身体情報(計測値)、歩数や食事などの生活情報をデータベー ス化し、それに基づく健康アドバイスや健康情報を提供する。神戸市が無料で提供している健康管理アプリ「MY CONDITION KOBE」に、まちモビ☆アプリから連携して利用可能だ。さらに、住民同士の有償ボランティアによる助け合いをマッチングするサービスを提供。まちモビ☆アプリを通じてコミュニティサイト「GoodTiming」に依頼したいこと、あるいは手伝えることを登録しておき、それを見た人との間で条件が合えば、有償ボランティア が実行される仕組みだ。1回500円以上の料金設定が必要(クレジットカード決済)。
なお、同実証実験は、国土交通省「令和2年度日本版MaaS 推進・支援事業」において、新たなMaaS の構築を牽引するモデルプロジェクトとして選定されている。近畿運輸局および神戸市の協力の下、同実証実験を進める。
この記事の著者
ペイメントナビ編集部
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