LINE Payが300万カ所のMPM加盟店で決済可能に、2022年にはPayPayに統合へ(ZHD)

2021年3月2日8:30

Zホールディングス(ZHD)とLINEは、2021年3月1日に記者説明会を開催し、経営統合の完了による戦略説明会を開催した。当日は、Co-CEOの川邊 健太郎氏と出澤剛氏が登壇した。

お揃いのネクタイで登場したZホールディングス(ZHD)Co-CEOの川邊 健太郎氏と出澤剛氏

データとAIを掛け合わせて強固なシナジーを創出

ZHDとLINEは、2019年11月の経営統合に関する基本合意書、同年12月に経営統合契約書、2020年8月に業務提携に関する基本合意書を締結した。これらの契約書に基づき、両社およびそれぞれの親会社であるソフトバンク、NAVER Corporationの4社で協議を重ね、今回経営統合が完了した。

ZHDグループでは、情報、決済、コミュニケーションなど、国内で200超のサービスを提供し、国内総利用者数は3億超、国内総クライアント数は約1,500万、自治体との総連携案件数は3,000超を有する。また、約230の国と地域でサービスを展開し、グループ従業員は約2万3,000となる。

社会的な特に課題が大きく、インターネットの力で解決が見込める領域である「コマース」「ローカル・バーティカル」「Fintech(フィンテック)」「社会」の4つを「集中領域」とし、集中的に取り組むそうだ。データとAIを掛け合わせながら強固なシナジーを創出する方針だ。

ソーシャルコマースと実店舗連携

「ソーシャルギフト」では、「LINE」を通じて友だちにギフトを贈れる「LINEギフト」を将来的に「Yahoo!ショッピング」などと連携することを検討する。「共同購入」では、一定人数の友達と低価格で商品を購入できる。「ライブコマース」では、インフルエンサー等による商品紹介の動画を見ながら、同じ動画を見ている人と交流して買い物可能な世界を創出する。オンライン店舗と実店舗の商品データを連携させた買い物他県の「X(クロス)ショッピング」では、オンラインだけではなく、リアル店舗でも価格を変動させる「ダイナミックプライシング」でお得に購入できる「My Price構想」を中長期的に展開していく。

2021年上半期には、ECソリューション「Smart Store Project」を始動。事業者がECサイトの構築・運営、分析、接客・送客などが可能になるそうだ。

出前館のデリバリーノウハウをグループでも活用

飲食予約や旅行予約などの「ローカル・バーティカル」では、「Yahoo!ロコ」「一休.comレストラン」「LINE PLACE」などの複数のサービスからの予約・送客に加え、AIを徹底的に活用し、ユーザーとのつながりを強化する。また、フードデリバリー「出前館」は10万加盟店を目指すというが、ZHDグループ内の他サービスにもその配送網を活用していく。

広告面では、「Yahoo! JAPAN」、「LINE」、「PayPay」が連携。各社のメディア上などで広告を配信し、PayPay、LINE Payで決済させ、特定の商品を購入した人にのみ、改めてお得なクーポンを届け再購入を促す仕組みなどを行う。

1つのQRコードでPayPayとLINE Pay決済が可能に

そして、注目の決済等のフィンテック分野では、「買う」、「予約する」、「支払う」といったユーザーのアクションにあわせて、ローンや投資商品、保険などニーズにあった最適な金融商品を提案する「シナリオ金融」を拡充させる。

PayPayとLINE Payは、2021年4月下旬以降、全国300万カ所以上のPayPay加盟店のうち、ユーザースキャン方式(MPM)加盟店においてLINE Payで支払いが可能になる。これにより、ユーザーは1つのQRコードでPayPayとLINE Payでの支払いが可能になるため、最大約 7,500 万人を集客でき、導入・管理コストの削減につながるとしている。

また、PayPayとLINE Payは2022年4月にLINE Payの国内QR・バーコード決済をPayPayに統合すべく協議開始した。LINEのウォレット機能からPayPayが利用可能になる予定だ。なお、事業統合は、関係する登録、承認の取得など、必要な手続きが完了していることが条件となる。

一方で、台湾やタイといったエリアでは、LINE Payがすでに開拓を行っており、そのようなエリアでは継続してLINE Payを中心とした展開を行う。

5年で5,000人のAIエンジニア増員

社会面では、2021年中にYahoo! JAPANのサービスや「LINE」上で行政手続きの情報の拡充と、内閣府の「マイナポータル」と連携した行政手続きのオンライン申請サービスを開始する。また、防災では、平時における生活エリアの危険度チェック、災害警戒時のパーソナルタイムライン、災害発生時の避難案内、復旧・復興時の支援マッチングなど、防災にまつわるさまざまなステージにおいて、一人ひとりに最適な情報を提供していく。ヘルスケアでは、LINEヘルスケアが提供する「LINEドクター」を起点に、オンライン診療に加えて、オンラインでの服薬指導から薬の配送までのサービスを新たに展開することで遠隔医療のサービスをより便利で身近なものにする。2021年度中にオンラインの服薬指導を開始するとともに、「LINEドクター」は国内No.1の提供数を目指す。

なお、ZHDグループはすべてのサービスにAIを実装し、新たな価値の創造を推進していく。AIを中心に各事業を成長させるため、5年間で5,000億円の投資を計画するとともに、5年間で5,000人のAIの活用に携わる国内外のエンジニアの増員するという。

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