2011年1月17日8:00
「EC決済、EC活用の最新トレンド」~NTTスマートトレード(ちょコム)
チケット、デジタルコンテンツ、物販を中心に売上を伸ばす「ちょコム」
2010年10月にNTTスマートトレードへ事業継承
「ちょコム」は、NTTスマートトレードの提供するインターネット専用の電子マネーサービスだ。インターネット上で自分専用の貯金箱を開設しチャージをすると、電子チケットぴあ、楽天市場、HMVなど、ネット上の約3,000店の加盟店で買い物ができる。また、利用に応じてJALのマイルや各種電子マネーと交換できる「ちょコムポイント」などのサービスも受けることが可能だ。
フラッシュマーケティングや
SOHOなどで採用を目指す
ちょコムはNTTコミュニケーションズが開始したサービスだが、2010年10月1日からは、外国為替証拠金取引サービス(FXサービス)を展開するNTTスマートトレードに事業承継した。
これは2010年4月に「資金決済に関する法律」(資金決済法)が施行されたため、金融サービスをさらに強化し、お客様に一元的にサービスを提供する体制を構築するため、より顧客のニーズに応えられるサービス提供を目指すためだ。
「サーバ管理型の電子マネーは資金決済法上の前払式支払手段として適用されることになりました。ちょコムを活用して金融事業を迅速に拡大していくため、NTTスマートトレードへ事業継承しました。NTTコミュニケーションズでちょコムを提供していた人員が継続して事業運営を行っており、サービスについての変更点はありません」(NTTスマートトレード 取締役 送金決済事業部長 小平豊氏)
ちょコムを利用するユーザーは事前に会員登録が必要であり、現在、会員数は100万人弱となっている。
チケットやデジタルコンテンツ、物販などを中心に決済金額は伸びており、「特にローソンチケットを始め、チケット関連が伸びている」と小平氏は言う。また、デジタルコンテンツや物販のEC決済が順調に成長しているため、あと3~5年は問題なく市場全体は伸長するのではないか、というのが同社の見方だ。
「ネットワーク型電子マネーは急成長していると言われていますが、弊社としてはまだまだ開拓していない利用シーンがあると感じており、掘り起こしを強化する方針です。各分野で新サービスが創出された際にいち早く対応することで、標準決済としての採用を目指します」(小平氏)
例えば、フラッシュマーケティングと呼ばれる「クーポン共同購入サイト」はクレジットカードを保持していない層も多いため、採用を強化していきたいという。また、チケット販売に関しても主要なチケット販売会社での採用を目指していく。さらに、ネットワーク型電子マネーの新しい利用方法として、「SOHOなど、個人を対象にした決済手段としての役割を開拓していくことも検討している」と小平氏は話す。
今後1~2年で加盟店1万店
会員数200万人を目指す
ちょコムでは積極的なマーケティング活動も実施している。そもそもちょコムは入会時に住所、氏名などの会員登録が必須のため、会員登録が必ずしも必要ではない他のネットワーク型電子マネーとはサービスの仕組みが異なる。
「会員数は100万人弱ですが、月間の稼働率は3割以上を誇ります。その理由として、会員登録の際にメールアドレスの入力が必須のため、利用者にダイレクトなアプローチが可能だからです。また独自のポイント『ちょコムポイント』などを活用して会員に対して直接的なマーケティング活動を実施できるのがちょコムのメリットです」(小平氏)
今後は1,000万規模の会員数を擁しているポータルサイトとの連携やスマートフォンへの対応なども検討する方針だ。
「われわれのIDは100万相当とまだまだ少ないため、1,000万規模のパスワードを持っている組織のIDと紐づけてちょコムの口座から引き落とすようなシームレスな取り組みも検討する必要があると感じています。」(小平氏)
NTTスマートトレードでは今後1~2年の間に、加盟店1万店舗、会員数200万を目標としている。