2021年9月28日14:33
インテリジェント ウェイブ(IWI)は、AIセキュリティベンチャーであるRobust Intelligence社(本社:アメリカ合衆国カリフォルニア州、 以下:RI)のAIエンジン「RIME」による、 IWIが提供する不正検知ソリューションのひとつである「FARISスコアリングサービス」の不正検知精度向上、AIチューニング負荷の軽減に関する実証実験に成功し、正式に「RIME」を採用したと発表した。今後も不正利用被害の削減に向けて、さらなる開発・検証を進めていくという。
昨今、キャッシュレスによるトランザクション量が増加し、連れて不正取引についても増加の傾向がみられている。カード決済の不正検知業務負荷はコロナ禍における非接触ニーズの高まりも背景にあり、今後も増大していくことが考えられる。IWIでは、カード発行会社(イシュア)をはじめとする顧客企業の課題解決のため、不正検知分野において、スコアリングの研究、不正アタックに対する自動防御機能、不正情報の共有システム等、さまざまな取り組みを開始している。その取り組みの1つとして、IWIが提供するFARISスコアリングサービスの検知精度向上に向けた実証実験を行った。
RIMEは、蓄積されたビッグデータから、既存運用中の機械学習モデルやルールの弱点を発見する製品だ。モデルに対しさまざまなテスト(AI Stress Testing)を走らせることによって機械学習モデルの修正点を特定し、AI運用の改善を行うことが可能だ。
実験では、IWI開発の不正検知システムに対して、RIMEを用いた実験を実施。不正利用が行われたかを判断する既存のスコアモデルに対し、RIMEによるモデルチューニングを実施したところ、カード利用阻害および不正被害の検知精度が向上した。また、RIMEを用いてスコアモデルの生成後、 個社に合わせたチューニングを実施したところ、不正被害の検知精度が向上したという。
なお、IWIは、あらかじめ設定したルールとスコアリング機能を基に、リアルタイムで不正利用を検知することが可能なシステム「ACEPlus」、また、「ACEPlus」の機能一式を提供するクラウドサービスである「IFINDS」を提供し、国内の高いシェアを獲得しているそうだ。