2021年10月4日9:30
和歌山県、橋本市、かつらぎ町、九度山町、高野町、南海電気鉄道、南海りんかんバスで構成される紀伊半島外国人観光客受入推進協議会は、2021年10月1日~11月28日まで、高野山・山麓地域において、電車・バスや観光施設、アクティビティ等のチケットの予約・決済、クーポンの利用などスマートフォン1つで可能となる「KiiPass Koyasan」の実証事業を行っている。「KiiPass Koyasan」では、NFCタグやQRコードを活用した仕組みを採用しており、利用者は施設や店舗でスマートフォンをかざすだけで非接触でサービスを受けることが可能だ。
非接触やインバウンド回復後も見据えた観光周遊モデルを構築へ
鉄道・バス、施設、アクティビティ、クーポンの利用が可能
「KiiPass Koyasan」は、スマートフォン1つで高野山の観光が可能となるデジタルチケットだ。和歌山県 商工観光労働部 観光局 観光交流課 課長 橋本恵一郎氏は、コロナ禍において、接触機会を減少させる上で、チケットの購入や決済のデジタル化が高まっているとした。また、高野山は外国人観光客の多い地域でもあり、インバウンド回復後も見据え、ウィズコロナ時代に対応した観光周遊モデルの構築を目指すという。なお、同事業は、観光庁の「既存観光拠点の再生・高付加価値化推進事業」を活用している。
「KiiPass Koyasan」で購入できるチケットは、南海電鉄と南海りんかんバス提供の高野山デジタルきっぷ、南海りんかんバスの高野山内バス1日フリー乗車券、高野山麓世界遺産ぐるっとパス(2種)となる。また、観光施設では、金剛峯寺、根本大塔、金堂、徳川家霊台、大師教会(授戒)、高野山霊宝館、九度山・真田ミュージアムで利用可能だ。さらに、レンタル小型電気自動車、レンタサイクル、観光タクシー、手荷物配送サービス、人力車といった7つのアクティビティでもサービスが利用できる。また、いずれかのチケットを購入すると、高野山の23施設、山麓地域で24施設の47施設で利用できるクーポンを表示可能だ。特典施設の情報は一覧や地図から詳細情報にアクセスできる。
非接触、専用アプリ不要で利用可能
Apple Pay、Google Pay、クレジットカードで支払い
今回の技術は、NFCタグを搭載したプレート「スマートプレート」やアプリを提供するアクアビットスパイラルズが協力している。
利用者は、「KiiPass Koyasan」特設サイトや南海アプリから起動する南海デジタルチケットから「KiiPass Koyasan」購入サイトを開き、予約や決済が可能だ。アクアビットスパイラルズ 代表取締役CEO 萩原智啓氏は「非接触型、専用アプリをダウンロードする必要がない」点が特徴であるとした。利用者は、サイトで商品の詳細を確認して、購入情報を入力し、カートに希望する商品を入れ、利用枚数や利用日を選択して支払いを行う。決済は、Apple Pay、Google Pay、クレジットカードが利用できる。
施設等に設置する「スマートプレート」は、スマートフォンをかざすだけで予約した施設やアクティビティ、クーポンを表示できる。すでに、複数のMaaS事業で採用されており、プレートにはNXPセミコンダクターズのNTAGを組み込んでいる。利用者は予約した施設でスマートフォンをかざすと、予約したページが瞬時に開き、「利用するボタン」タブを押して、受付で見せると、施設の入場やアクティビティの利用が可能だ。また、スマートプレートにはQRコードも印刷されており、NFCスマートフォンの利用者以外でも使用できる。なお、予約していない人が施設でスマートフォンをかざすとグレーの画面が表示されるなど、不正対策も行っている。
Visaのタッチ決済や南海デジタルチケットで鉄道とバスを乗り継ぎ
紀伊半島全体を回れる環境を目指す
南海電鉄の16駅では、2021年4月3日~12月12日までVisaのタッチ決済およびQRコードの「南海デジタルチケット」による実証実験を行っているが、10月1日~12月12日まで、高野山内・山麓の路線バスでも実証実験を実施している。
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