2022年1月14日7:40
Mastercardと和歌山県は、Mastercardが提供する国際基準の決済ネットワークを活用した観光誘致や中小企業のキャッシュレス・DX化促進を目指していくことに合意し、連携協定(Memorandum of Understanding:MOU)を2022年1月13日に締結した。なお、Mastercardが日本国内の地方自治体とMOUを締結するのは、和歌山県が初めてとなる。
同MOUでは、インバウンド誘客に関する取り組みを行う。Mastercardは決済ネットワークサービスの提供のほか、世界25億枚のカードと年間368億件の取引データに基づく消費者インサイト等、分析プラットフォームやコンサルティングサービスを提供している。同連携においては、Mastercardが有する世界の観光および消費動向における知見を活用し、和歌山県とMastercardがインバウンド観光客誘致のための取り組みを共同で行っていく。さらに、Mastercardの海外拠点と連携し、和歌山県の観光地としての認知度向上をサポートするそうだ。
また、国外からの観光客に対しては、県内店舗への誘客を図るとともに消費拡大を促進することを目的として、世界規模で展開するMastercard会員が利用できるキャッシュバックプログラム「Mastercardトラベルリワード」を活用する。会員が参加店舗で買い物をすると、対象となる決済に対して自動でキャッシュバックされる仕組みだ。送客国は30か国以上で、海外の銀行・カード発行会社が数多く参加しており、インバウンド観光客に対するプロモーションとしても活用していく。国内の観光客に対しては、和歌山県が持つ数多くの魅力をアピールすることで個人消費の拡大を図っていく。
さらに、世界遺産 高野・熊野等、和歌山県が持つ観光資源を活用し、Mastercard会員を対象とした差別化された体験型特典プログラムを共同で開発し、国内外の旅行客に対して和歌山県の魅力を発信していく。
そのほか、Mastercard傘下のカード発行会社と連携し、ICカードやスマートフォンを利用したコンタクトレス(非接触)決済や国際基準のキャッシュレス決済の導入を促進する。また、企業が利用条件を設定した固有のバーチャルナンバーを発行し、買掛金の効率化、照合作業、データ分析などを最適化するバーチャルカードなどの技術を活用し、県内企業の効率的な決済業務を推進する。これにより、請求業務の効率化や未回収リスクの軽減、新規取引先への販売チャンス拡大等のメリットを見込む。
この記事の著者
ペイメントナビ編集部
カード決済、PCI DSS、ICカード・ポイントカードの啓蒙ポータルサイト