長崎県南島原市、電子地域通貨「MINA(ミナ)コイン」利用者は市内人口の約3割にまで拡大

2022年3月17日8:30

電気料金の支払いや税金の納付にもコインの利用用途を広げる

長崎県南島原市とふくおかフィナンシャルグループ(FFG)の十八親和銀行などは2021年2月、市内限定の電子地域通貨「MINA(ミナ)コイン」の運用を始めた。スマートフォン向けアプリのみ対応だが、新規加入キャンペーンなどが功を奏し、事業開始から1年を経過した2022年1月末時点で利用者数は約1万3,000人と市内人口の約3割まで伸びた。加盟店数は370店超、決済総額は約7億2,000万円に達するなど、当初の予想を上回るスピードで拡大している。

スマホアプリのQRコードで決済
市外への資金流出や地域振興対策で開始

南島原市や十八親和銀行などが共同で運用する電子地域通貨「MINA(ミナ)コイン」は、「1コイン=1円」として、市内の加盟店での支払いに使える。スマートフォンにダウンロードしたアプリ「MINAコイン」で店舗に設置されたQRコードを読み取り、決済する仕組みだ。市内の十八親和銀行の支店窓口などでチャージすることができる。チャージ額の1%がポイントとして付与され、「1ポイント=1円」として買い物などに利用できる。同行の預金口座を保有している場合は、口座から直接チャージすることも可能だ。

南島原市地域振興部 商工振興課 商工振興班
副参事 中島英治氏

加盟店は専用のQRコードを掲示して対応するため、専用の決済端末は不要。決済手数料も無料だ。2022年1月末現在の加盟店数は、市内の飲食店やスーパー、小売店、薬局など375店。コインは個人の利用者間の送金(口座登録ユーザーのみ)や加盟店間での送金にも使える。

九州初の電子地域通貨となったMINAコインは、なぜ導入されたのか。同市は2006年に8町が合併して誕生したが、少子高齢化が進み、年々人口は減少。インターネット通販の普及や近隣の自治体への大型店進出によって市外で買い物する人が増え、県の家計調査を基にした市の試算では、市民の支出総額のうち年間約100億円が市外に流出していた。市地域振興部 商工振興課 商工振興班 副参事 中島英治氏は「FFGから電子地域通貨のご提案をいただき、市内の加盟店で流通する通貨が作れれば、これらの課題解決に役立つのではないかと考えました」と振り返る。

それから同市同様にフィノバレーの仕組みを活用する電子地域通貨「アクアコイン」を展開している千葉県木更津市を視察するなどして2021年2月、市と十八親和銀行、地域商社のミナサポ、同市商工会が連携してMINAコインの運用を開始した。スタート時の加盟店は256店。十八親和銀行は窓口の行員を増やしてチャージに対応。市も同行と連携して、市内のスーパーなどでPRを行った。市のデジタル化を進めるためスマホアプリのみの対応としたことで、当初は批判的な意見もあったが、チャージ額に対して50%、1人最大1万ポイントを付与する大型キャンペーンを3月中旬まで行い、アプリのダウンロード数が増えた。その後は伸び悩んだが、定期的にキャンペーンを実施し、コインの利用を促している。

アプリ「MINA コイン」

コイン利用者の9割が市民
用途広げ流通量の増加促す

同市や十八親和銀行などは現在、コインの用途を広げ、市民らへの普及や定着を図る取り組みを進める。2021年10月から、コインを月々の電気料金の支払いに使える「MINAコインでんき」のサービスを開始。利用者向けに電気料金の支払いによるポイント還元プラン、加盟店向けにコインでの電気料金支払いに対応し、従来よりも最大12%電気料金が削減できるプランを用意した。さらに同年12月からは、アプリに納付書払い機能を追加し、市県民税や国民健康保険税などをコインで納められるようにした。

店舗ではスマートフォンでQR コードを読み取って支払い

同市によると、コインの利用者の9割以上を市民が占める。そのうち約8割が30~60代で、女性の利用が多いという。中島氏は「小売店やスーパーでのご利用が多いので、日常的に使っていただいている利用者が多いのではないか」と分析する。

課題は定着化だ。市民らの間では徐々に浸透してきてはいるが、キャンペーンをしていない時期の利用は鈍くなってしまう。また利用者を増やすため、高齢化が進む市内でスマホの利用を促進させる必要もある。同市は、市内のドコモショップと共同でスマホ教室や相談会を開催。スマホユーザーの開拓とMINAコインへの誘導に取り組む。

チャージ機能の充実も課題となっている。市内における十八親和銀行のシェアは高く、市民の7割以上が同行に口座を持っており、アプリ上で口座登録をすることで、アプリからチャージすることが可能だが、口座を登録していない利用者は同行の窓口でチャージしてもらわなければいけない。窓口は平日午後3時で営業が終了するため、チャージ方法の追加も検討している。

同市は当面の目標として、年間決済総額10億円、加盟店数500店を掲げる。「まずは流通量を増やして事業の安定化を図りたい。そのために地域や商工会、銀行などと協力しながら事業を進めていきます」と中島氏。大手キャッシュレス決済とは違った形で市民らの生活に根付くように、市の窓口での手数料支払いやアプリを活用した防災情報の提供、イベントやボランティアでのポイント付与なども検討していく。

カード決済&リテールサービスの強化書2022より

 

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