2022年8月16日19:39

インターナショナルシステムリサーチ(ISR)は、2022年7月20日、企業へのパスワードレス認証普及のキーとなる「FIDO2認証」について、現在の利用フローを踏まえつつ、今後どのようなことが実現できるようになるかを紹介する記者勉強会を開催した。

PC内蔵認証器を利用するユーザーが増加
PC一台だけの生体認証も課題がある?

ここ数年、セキュリティ強化のため、生体情報を用いる「MFA(多要素認証)」の導入が進んできた。例えば、Macの「Touch ID」やMicrosoftの「Windows Hello」など、端末内蔵の生体認証機能による顔認証、指紋認証が広がりを見せている。これにより、利用者は専用デバイスを用いず、端末一台による生体認証が可能だ。

ISRでは、生体認証を利用したMFAと、一度のログインで複数のクラウドサービスにアクセスができるゼロトラストモデルのシングルサインオン機能を採用した「CloudGate UNO」を展開している。CloudGate UNOユーザーでも「Wedding Park」をはじめ、PC内蔵認証器を利用するユーザーが増えてきた。ユーザーは、パスワードレス認証へ切り替えによって、セキュリティや利便性が向上する。

その一方で、ISR 代表取締役社長 メンデス・ラウル氏は課題も口にする。例えば、社用のPCに生体認証機能が搭載されていないことがある。また、仮に指紋認証機能が搭載されていたとしても、慢性的な皮膚荒れや発汗などにより指紋が認識しづらい社員も存在する。さらに、テレワークの定着により、社外ネットワークからアクセスする機会が増加しており、内蔵の生体認証が使えない状況にすぐに対処できない可能性も考えられるとした。

バックアップも兼ねた端末2台構成によるMFAが理想
スマホ生体認証が解決の鍵に?

メンデス氏は二台構成の認証の課題として、セキュリティキー(トークン、カード)など、外付け認証器が必要な点を挙げた。また、高可用性(High availability)を考えると、バックアップも兼ねた端末2台構成によるMFAが理想だとした。

FIDOでは、共有された秘密による公開鍵暗号を利用して強固なアプローチを目指している。FIDO認証は、パスワードを用いずに、安全に認証を行うことができる認証技術だ。パスワードに依存しない認証技術開発と標準化を目的として発足した 団体「FIDO Alliance」が、規格策定と普及推進を行っている。認証の手段として、セキュリティキーを用いた認証では、外付けのハードウェアを購入する必要があるため、コストや管理の手間といった負担が発生する。セキュリティ面に優れる一方で、コストや管理は普及に向けた課題となっていた。また、OSが対応していない場合には専用のアプリケーションをインストールする必要がある。それを解決できるのがスマートフォンによる生体認証であるという。

AppleがパスキーをiOS16に搭載へ
「Pocket CloudGate」は認証+監視機能も

2019年2月、AndroidがFIDO仕様の1つであるFIDO2認定を取得した。Android 7.0以降を搭載しているデバイスであれば内蔵の指紋センサーを利用したFIDO2認証が可能となった。また、2022年5月には、Apple、Google、Microsoftの3社がパスワードレス認 証の提供を目指し、FIDO規格に準拠したパスワードレス認証をサポートを拡大する計画を発表している。AppleはFIDOの規格を導入した「パスキー」を9月リリース予定のiOS16に搭載する見込みだという。

これにより、「いろいろな端末からログインをかけられ、今まで以上に利便性が高まります」とプロダクトマネージメント部 部長 柴田一人氏は話す。今後は、FIDOに対応したスマートフォンがセキュリティキーになり、パスワードレス認証の普及が一気に加速する可能性もある。

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