マネーフォワードが電帳法やインボイス制度対応の請求書受領システム、新たなBtoB決済の創出も視野に

2022年9月12日8:30

マネーフォワードは、2022年8月24日から、中堅・エンタープライズ企業向けの請求書受領システム「マネーフォワード クラウドインボイス」の提供を開始した。同社では、請求前後のサービスを包括的に提供することで、企業間取引のデータを蓄積し、BtoB決済など新たなFinTechサービスの提供につなげる考えだ。

マネーフォワード 執行役員 ビジネスカンパニー CSO 山田一也氏。8月24日の記者説明会で概要を紹介した

中堅・エンタープライズ向けに新サービス展開
電子帳簿保存法で電子取引データの書面保存廃止へ

2012年設立のマネーフォワードは10周年を迎えた。現在は1,600人を超える規模となり、個人向けの家計簿アプリに加え、バックオフィス向けなど多岐にわたるサービスを展開している。

ここ数年、外部環境の変化に伴い、事業機会が急激に拡大している。改正電子帳簿保存法(インボイス制度)、リモートワークの進展、政府によるデジタル化などの動きがある。同社では、個人事業主に加え、中小企業、大手などの生産性向上に向けて事業を拡大している。また、請求書発行、経費精算、労務などに課題に対応してきた。今回、中堅・エンタープライズ向けに請求書受領システムの新サービスを開始する。

2022年1月から施行された電子帳簿保存法では、電子取引データの書面保存が廃止される。従来、紙で請求書を受け取った時に、スキャナにかけて電子化することは認められていたが、電子で受け取ったものを印刷して紙で保存することも認められていた。紙で出力して一元管理している会社も多かったが、電子取引データの書面保存が認められなくなる。つまり、電子で受け取ったデータは電子データでそのまま保存する必要がある。しかし、多くの事業者はこの認識ができておらず、2年間の宥恕(ゆうじょ)措置により2024年1月から適用となった。また、インボイス制度に関しても2023年10月から適用されるため、ほぼ同時期にスタートする。

インボイス制度で適格請求書発行の登録が必要に
存在する紙の量は2倍に増加?

インボイス制度は、新たな仕入れ税額控除方式だ。インボイス制度のポイントとして、課税事業者は納付税額を計算するため、「売上に係る消費税」と「仕入れに係る消費税」の差分を算出する必要がある。仕入税額控除を受けるためには、原則インボイスとしての要件を満たした請求書である「適格請求書」が必要となり、それ以外の請求書はインボイスとしての要件を満たさなくなってしまう。そのため、「実質的な納税負担があがってしまいます」とマネーフォワード 執行役員 ビジネスカンパニー CSO 山田一也氏は語る。

また、「適格請求書」は、従来の記載事項に加え、課税事業者の「登録番号」の記載が必要だ。これまでは事業を営んでいれば請求書を発行できたが、2023年10月以降に関しては事前に国税庁に申請をして、登録番号を発行しないと「適格請求書」が発行できない。例えば、制度開始の2023年10月からインボイスを発行する場合、2023年3月までに事前の登録を済ませる必要がある。さらに、これまで請求書の受領側のみに課されていた保管業務が、送付側に対しても課されるため、今まで通り紙で印刷して送付する実務の場合、存在する紙の量は2倍に増加する。

「これを効率的に運用していくためには、請求書の発行から電子化していくことが必要ではないかと思っています。請求書を一元管理しようとすると、紙で受け取った請求書をデジタルデータとして一元管理する必要が出てきます」(山田氏)

マネーフォワードの調査によると、インボイス制度の認知状況は3割にとどまる。また、認知している場合でもシステム側で対応済みの企業は限定的だとした。

請求書の受領機能からサポート
送付は今後の提供を予定

同社では、新たに開始した「マネーフォワード クラウドインボイス」により、諸外国よりも遅れている国内のデジタル化を加速させることを目指す。①債権請求管理業務、②インボイス発行、③インボイス受け取り、④債務支払管理業務の4つに分けてサービスを展開する。債権請求管理業務は、請求書を作成することだ。また、請求書を送る際のインボイス送付をデジタル化する。また、インボイスを受け取り、請求書を確認して支払いを行う流れまでサポートする。

中小企業向けには「マネーフォワード クラウド請求書」などでカバーしている。また、エンタープライズ向けには、「マネーフォワード クラウド請求書Plus」で債権請求管理業務、「マネーフォワード クラウド債務支払」で債務支払管理業務一部をカバーしてきたが、「マネーフォワード クラウドインボイス」により、インボイス送付、インボイス受取をサポートする。まずは受け取り機能からサポートを開始し、送付は今後開始予定だという。

同サービスは、エンタープライズ向けに、コンポーネント型ERPとして、すでに導入済の基幹システムに外付けで利用してもらうこともでき、「より幅広いお客様に使っていただくことも可能」(山田氏)だとしている。

「マネーフォワード クラウドインボイス」では、請求書を一括受領し、AI-OCRとオペレーター入力によるデータ化を実現できる。そのため、利用者は、紙やメールで送付されたさまざまな形式の請求書を全て「マネーフォワード クラウドインボイス」上で受領し、一元管理できる。電子帳簿保存法に必要な要件である「電子取引」「スキャナ保存」への対応が可能となるため、請求書原本を破棄することができるそうだ。外部公開用のAPIを用意しているため、現在利用中の支払い管理システムとシームレスな連携が可能だ。

また、タイムスタンプ付与、受け取ったデータの解像度等の自動チェック、訂正・削除ができないシステムでの保存などの機能も設けている。さらに、国税庁のサイトの適格請求書発行事業者の登録番号を見て、本当に登録されている事業者かを自動でチェックする機能も提供する。

なお、マネーフォワードクラウド債務支払は、受け取った請求書の受領・データに加え、承認ワークフローや支払処理、仕訳まで一気通貫の管理が可能だという。

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