2022年9月26日9:00
給与デジタル払い解禁で「エニペイ」の重要性が高まる?
Payment Technology(ペイメントテクノロジー)は、クレジットカード決済スキームを活用した、従業員給与前払いサービス「前払いできるくんLITE」、売掛金早期回収サービス「ハヤメル」、買掛金・未払金の支払い延長サービス「オクラス」などのサービスを展開している。また、給与デジタル払い対応サービス「エニペイ」を開発しており、給与デジタル払いの法改正を機に同市場は大きく拡大すると期待している。
記事のポイント!
①国内でいち早くクレジットカードに対応した前払いサービス開始
②財務審査不要で給与前払いが可能に
③3つの国際ブランドに対応しているのも特徴
④買掛金の支払いを約30~50日遅らせる「オクラス」を開発
⑤手続きは全てWeb上で完結して最短即日で導入
⑥売掛金早期回収サービス「ハヤメル」を提供
⑦ブランド拡大や認知向上で市場は拡大?
⑧サービス提供での強みや決済額は?
⑨無料の請求書発行・受領管理サービス「タダで請求書クラウド」開始
⑩一度の申し込みで3つのサービスが利用可能に
⑪データビジネスへの参入を見据える
⑫給与のデジタル払い対応サービス「エニペイ」を開発
⑬「エニペイ」は法改正で大きな市場になると期待
⑭当面の売上目標は?法人決済のデジタル化を目指す
クレジットカード決済型給与前払いを提供
企業のキャッシュフローに影響がないメリットも
ペイメントテクノロジーは、前払いに魅力を感じ、2016年から前払いのビジネスを開始した。同社では、2019年に国内でいち早くクレジットカードに対応した前払いサービス「前払いできるくんLITE」を開発した。前払いには、預かったお金を払い出す「デポジット方式」、企業等が個人に代わって立て替える「立替方式」がある。Payment Technology 代表取締役 上野亨氏は「デポジット方式はお金を先に入金しますので手持ち資金が必要となります。立替方式も同様で、従業員は与信を取る必要があります。そのため、ある程度の規模にならないと、運用が難しい課題があります」と説明する。
「前払いできるくんLITE」では、従来の前払いの課題を解決するため、クレジットカード決済による無審査かつ即時導入が可能なサービスを提供している。規模や実績に乏しい中小企業やスタートアップ企業の場合、財務審査を通過する必要があるが、「前払いできるくんLITE」ではクレジットカードがあれば財務審査不要で給与前払いが可能だ。企業の従業員が前払いの申請をすると、預かった導入企業のクレジットカードで決済を行う。その金額は、同社が立て替えてクレジットカードの請求日に引き落としする流れだ。振込手数料として税込210円、前払い手数料として申請額の6%を従業員が支払うため、企業にとってのリスクがないのも特徴だ。
同社では、クレジットカード決済代行のGMOペイメントゲートウェイと契約しており、Visa、Mastercard、アメリカン・エキスプレスブランドのクレジットカードが利用できる。与信額はクレジットカードの限度額となり、債権回収もカード会社が行うため、同社のリスクを軽減してサービスを提供可能だ。
同社では「前払いできるくんLITE」のWeb広告などの訴求は積極的に行っていないが、月に数件の申し込みがある。利用企業1人あたり5万円弱の利用があり、申込社数は累計800社を超える。導入企業は、従業員の満足度アップのために利用しているところが多い。上野氏は「導入されている企業は求人の応募者数が2倍から10倍にまで増えているそうです」と話す。
なお、GMOコマース、GMOあおぞらネット銀行とは、同スキームを活用して「GMO給与即払い」を共同開発した実績がある。
買掛金・未払金の支払いを延長する「オクラス」
売掛金の早期回収が可能な「ハヤメル」
同社では、給与前払いのクレジットカード支払いのスキームを活用して、企業の仕入、家賃、委託業務料などの買掛金の支払いを遅らせる「オクラス」(旧1 month delay payment)を開発し、2021年4月から提供している。同サービスの利用により、企業が取引先への支払いを行う場合、約30~50日支払いを遅らせることが可能だ。導入企業は、面談や書類手続きなどなく、必要な手続きは全てWeb上で完結し、最短即日で導入できる。急な支払いのリスクヘッジ、コロナ禍で売上が低迷した企業などが支払いを遅らせる手段として利用可能だ。2021年11月には単月の利用金額が1億円を突破。現在も利用が伸びている。
また、2022年3月には、売掛金早期回収サービス「ハヤメル」の提供を開始した。請求書発行サービスとクレジットカード決済を組み合わせることで、BtoBにおける取引先への支払いを最適化できるとした。
請求書を発行する企業は、本来の支払期限よりも早く支払請求先からの支払いを受けることが可能となり、同サービスを利用して発行された請求書を受け取った企業は請求金額より安く支払いが可能となる。
※早期支払割引ありの場合のみ適用。割引額については任意のパーセンテージで設定可能。
なお、今後は他のブランドへの対応も行っていきたいとした。国際ブランドの中には、BPSP(Business Payments Solution Provider)に関心を持つところもあり、今後はブランドの拡大や認知向上により、市場は広がると見ている。また、同社が参入後も類似のサービスが増えているが、新たな市場が立ち上がる点についてはプラスに捉えている。
請求書受取対応サービスをリリース
データビジネスへの参入も視野に
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