2022年9月30日8:00
UPSIDERは、「挑戦者を支える世界的な金融プラットフォームを創る」をミッションに、法人カード「UPSIDER」、およびクレジットカード決済を活用したビジネスあと払いサービス「支払い.com」を提供している。同社が金融サービスで目指す世界について話を聞いた。
記事のポイント!
①金融サービスをコア事業に
②直近では毎月1,000社増加
③法人カード「UPSIDER」は100以上のサービスからカード利用先を制限可能
④成長中の企業の利用が目立つ
⑤BtoB取引でクレジットカード決済が可能な「支払い.com」提供
⑥最短1分で最初の振込予約の処理が可能に
⑦「複数カード払い」機能もリリース
⑧不正防止に向けて最大限の注意を払う
⑨クレディセゾンと共同でサービスを提供するメリットは?
⑩どんな規模、業態でも最高の金融サービスを
⑪中小企業の資金繰りを支援へ
⑫社員は6割がエンジニア、人材にも投資
⑬デュアルCEO体制に、国内でのポジション確保へ
⑭決済プラットフォームへの進化を目指す
金融サービスをコア事業に約200億を調達
毎月1,000社利用企業が増加
UPSIDERは、2018年5月に両者共同代表を務める宮城徹氏と水野智規氏を中心に創業した。同社では金融サービスをコア事業としており、「金融業界の構造を進化させるため、リスクを取る覚悟で事業を展開しています」と水野氏は話す。すでに200億円ほどの資金を調達しており、海外のArena Holdings、DST Global、Greenoaksなどに加え、3メガグループのベンチャーキャピタルやセゾンベンチャーズからも融資を受けている。また、「UPSIDER」のBINスポンサーはライフカード、「支払い.com」はクレディセゾンと共同事業を展開しているように、クレジットカード会社とのパートナーシップのもと事業を強化している。
現在、「UPSIDER」と「支払い.com」を合わせたユーザー数は5,000社強で、直近では毎月1,000社伸びている。また、取扱高は500億円強となる(2022年8月時点)。
エンジニアの開発力が強み
成長企業から選ばれるカードに
2020年7月にリリースした「UPSIDER」は、利用料・年会費が基本無料で、最短当日から利用可能だ。Visaによる法人のクレジットカード決済に加え、金額が足りないときには前払い(プリペイド)も併用できる。最大1億円以上の利用限度額や、バーチャルカードの発行・管理機能、会計処理の早期化を助けるSaaS機能等を提供している。
同社が選択される理由として、水野氏は「エンジニアの開発力」を挙げた。100以上のサービスからカード利用先を制限できる機能や細かな権限を設定できる機能を有しており、ユーザーはWeb上から直接設定を行うことができる。また、プロセッシング業務を内製化している点も強みだ。サービスの肝となる与信も磨き込んでおり、「これまで貸し倒れは1件もありません」と水野氏は成果を述べる。従来とは異なる独自のスコアリングにより、既存の法人カードより大きな与信枠の提供を実現している。このスコアリング精度の高さが与信枠を広げたにもかかわらず、貸し倒れが起きていない要因となっている。なお、近々本人認証サービス「EMV 3-Dセキュア」への対応も予定している。
「UPSIDER」ユーザーの属性として、上場企業はもちろん、スタートアップや中堅も含めて利用されている。「ユーザーからご紹介いただくなど、信頼が積み上がり、申し込みが伸びています」(水野氏)。中でもDX(デジタルトランスフォーメーション)や業務効率化に取り組む成長中の企業の利用が目立つ。背景として、業務で使用するサービスが広がると管理が複雑になるが、経理業務を効率、かつ安全に行う要望に応えられるからだとした。
「UPSIDER」では、決済データがリアルタイムにWebに反映され、適時に利用状況をチェック可能だ。また、月初1日に会計ソフトに自動で明細が連携される。同社では、経理、および営業などの現場の意見を取り入れ、双方が満足してもらえるような機能を提供することを意識している。
「支払い.com」は最短1分で振込予約の処理が可能
「複数カード払い」機能も提供
2022年4月からは、クレディセゾンと連携して、すべてのBtoB取引でクレジットカードを利用できる決済サービス「支払い.com」を共同で展開している。
水野氏の愛知の実家では金型屋を営んでいるが、「中小企業の場合、資金繰りの選択肢が少なく、将来は変えていきたいと日々感じていました」と同氏は述べる。すでに「UPSIDER」で企業与信を提供してきた実績があり、イシュイング、アクワイアリングを提供するクレディセゾンと連携することで長年の悲願としてサービスの提供が可能となった。UPSIDERの開発力と、クレディセゾンのカードビジネスのノウハウを掛け合わせることで、資金繰りの改善ニーズを持つ利用者にあったスキームを構築できたそうだ。
「支払い.com」では、Visa、Mastercard、セゾンカード、UPSIDERカードを利用すれば、支払いをクレジットカードの引落日まで延長できる。導入企業は、書類提出、審査、面談は不要だ。UI(ユーザーインターフェース)/UX(ユーザーエクスペリエンス)を意識しており、最短1分で最初の振込予約の処理が行えるため、「金融系のサービスとしては、日本で一番簡単だと思います」と水野氏は自信を見せる。申し込み時には、振込金額や口座情報を入力。同時に預り金として、振込金額と4%の利用手数料分のカード決済を行う。支払い.comからは、指定日に口座振込を行うため、最長60日まで支払いを伸ばすことが可能だ。通常は3営業日での振り込みとなるが、セゾンカードとUPSIDERカードの場合、翌日振り込みにも対応する。
6月には、1つの請求書を複数のクレジットカード利用枠を使用して支払うことができる「複数カード払い」機能もリリースした。事業費の支払いは高額になることも多いが、中小企業やスタートアップのビジネスカードの場合、1枚当たりの限度額が限られる。そのため、複数のカードを組み合わせて使用してもらうことで、企業の資金繰りを容易にすることができるとした。なお、同機能は特許を出願している。
不正が起きないように最大限の注意を払う
クレディセゾンとの共同事業も強みに
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