2023年2月9 日9:30
楽天ペイメントは2023年2月2日に、「楽天ペイメント 街のポイ活術セミナー」を開催した。当日は、楽天ペイメントのサービス(楽天ポイントカード、楽天ペイ、楽天Edy、楽天チェック)を中心とした街(スーパーやドラッグストアなど)でのポイ活術を紹介した。また、ポイントサービスを長年研究・実践するポイ探 代表取締役 菊地崇仁氏が今後の共通ポイントの注目点について解説した。
2022年度の楽天ポイント総発行量は6,200億ポイント
失効率は2%と低い数字に
当日は、楽天ペイメント マーケティング本部 広報室 塚原梨紗子氏が楽天サービスのポイ活術を紹介した。
楽天グループのFinTech領域では、主にスマホ決済、電子マネー、ポイントカード、銀行、クレジットカード、暗号資産、証券、保険などのサービスを提供している。これらの中で楽天ペイメントでは、スマホ決済の「楽天ペイ」、電子マネーの「楽天Edy」、「楽天キャッシュ」、共通ポイントの「楽天ポイントカード」、来店ポイントアプリの「楽天チェック」を提供している。
楽天ポイントは、2022年7月に累計発行数が3兆ポイントを突破している。2022年の楽天ポイントの総発行数は約6,200億ポイントとなっている。また、楽天ポイントの失効率は2%と少なく、発行したポイントが利用されている。楽天ポイントは楽天市場、楽天トラベルなどの楽天グループに加え、街のお店の600万箇所、交通系電子マネー150万店舗で利用可能だ。
菊地氏は楽天が発行するポイントについて、「PayPayが100億円あげちゃうキャンペーンをやっていましたが、500億円あげちゃうキャンペーンを毎月やっているイメージですから、かなり大きいポイントかなと思います」と話す。また、ポイントカードの失効率が3~4割ある企業もある中、2%は低い数字だとした。
同社では、楽天インサイトにおいて、値上げとポイ活に関する意識調査を行ったが、企業の値上げが行われる前の2021年と比較して、生活が苦しくなっていると感じている人は63%となった。また、2022年度に節約のために実施していることについては、「ポイ活をする」と回答した人が69%で全体の一位となった。菊地氏は「節約は我慢、ポイントは楽しみながらできる」点が異なるとした。また、帝国データバンクの調査によると、2022年の食品値上げによる家計負担額が年間約6万8,000円増加した。普段の生活で楽天のキャッシュレスサービスを利用した場合、月間で2,500ポイント、年間で3万ポイントお得になるそうだ。菊地氏は街の店舗に加え、ネットサービスなども併用した場合、6~7万ポイントをカバーすることも可能だとした。
楽天ポイントカードの提示の認知度は69%
ポイント5重取り以上も可能
ポイ活術の中で、楽天ポイントカードの提示の認知度は69%と高い数字となったが、楽天のサービス等をフル活用すると5重取りも可能だ。楽天の複数のサービスを連携するため、2重取りから5重取りと増えるにつれ、認知度が下がっている。菊地氏は「2重取り、3重取りとなるとすごい技のように聞こえますが実際はそれほど難しくはないので、できるだけやってほしいです」と話す。
具体的に、レベル1が楽天ポイントカード提示だとすると、レベル2は楽天ポイントカードと提携先のポイントカードのW提示だ。このパターンはドラッグストア店舗などで増えている。レベル3は、ポイントカードを提示して、キャッシュレス決済を併用する形となる。レベル4は、楽天カードから楽天キャッシュにチャージして0.5%、楽天ペイで支払うと1.0%、楽天ポイントカードの提示で1.0%となり、最大で2.5%のポイントが貯まる。
菊地氏は「昨年冬から(スマートフォンを活用したコード決済などの)Pay払いで還元率が1%程度になってきています。これはクレジットカードで払うのと同じですので、この上乗せの0.5%は楽天ペイメントとして残してほしいです」と要望を述べた。
レベル5の例として、あるドラックストアでは、楽天ポイントカードの提示で最大1%、提携先のポイントカードの提示で1%、楽天カードから楽天ペイへのチャージで0.5%、楽天ペイの支払いで1%、Rakuten Pasha(楽天パシャ)でレシートを送付すると最大300ポイントを獲得できるため、最大5重取りが実現する。
楽天のサービスのRakuten Pashaは、街の買い物後にレシートを送付して、楽天ポイントを獲得できるサービスだ。また、楽天チェックでは、街の店舗や施設にアプリでチェックインするだけで楽天ポイントを貯めたり、お得なクーポンを獲得できる。
なお、楽天ペイメントの「楽天ペイ」などでは、自治体キャンペーンでの決済手段として採用されており、20%付与などの取り組みが行われている。
国内の共通ポイントサービス変遷
20年の歴史はまさに戦国時代?
続いて、菊地氏が今後の共通ポイントの注目点について説明し、記者からの質問に回答した。
共通ポイントの歴史として、2003年にTポイントが開始。当時、TSUTAYAの会員証は各店舗でそれぞれ会員登録を行う必要があったが、それをまとめ、共通ポイント化することで、コンビニなどとの相互送客モデルが行われるようになった。2010年には第2の共通ポイントとしてPontaが誕生。当時は一業種一社の排他契約が基本で、両者は加盟店獲得で火花を散らした。2013年7月には、ヤフーのYahoo!ポイントがTポイントへの統合を完了した。これにより、リアルとネットでの連携により、ポイント戦国時代に突入した。2014年に楽天ポイント(当時、Rポイント)が共通ポイントに参入し、2015年にはdポイントを開始している。その背景には、2014年にKDDIがau WALLETを開始したこともあるという。
楽天ポイントとdポイントの開始により、経済圏で大量にポイントを発行し、それを原資に送客する取り組みが活発になったため、加盟店にとってのメリットが大きくなった。それにより「TポイントとPontaが劣勢に立ってきた」と菊地氏は話す。
今年は鉄道のグループ共通ポイントに注目
楽天が経済圏でリード?V/T統合でポイント循環強化
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