スーパーマーケットで進むキャッシュレス化、店舗DXの取り組みは?(第57回スーパーマーケット・トレードショー2023)

2023年2月16日10:15

一般社団法人全国スーパーマーケット協会は、2023年2月15日~17日に幕張メッセ(千葉県千葉市美浜区)で「第57回スーパーマーケット・トレードショー2023」を開催している。

スーパーマーケットでキャッシュレス化が進む
店舗DXとしてキャッシュレス化と絡めた展開も

「第57回スーパーマーケット・トレードショー2023」は、スーパーマーケットを中心とする流通業界に最新情報を発信する商談展示会となり、スーパーマーケット関係者が多く来場している。2022年は4万2,885人の来場があった。

近年は、消費者が日常的に利用するスーパーマーケットでもキャッシュレス化が進んでいる。「2022年 スーパーマーケット年次統計調査」によると、決済手段の導入率はクレジットカードが89%(前年90.5%)、電子マネーが73.7%(前年69.5%)、QRコード決済が58.3%(前年52.9%)となっている。また、顧客にインセンティブを付与したり、顧客分析に有効なポイントカードの導入率は82.6%となった。

全国スーパーマーケット協会の「2023年版 スーパーマーケット白書」によるとキャッシュレス比率は上昇を続けているそうだ。同協会が2022年11月に実施した「スーパーマーケットにおけるキャッシュレス決済に関する実態調査」によると、スーパーマーケットによる決済比率はクレジットカードが15.9%(前年比56%増)、電子マネー・QRコード決済が13.1%(同75%増)となった。導入のメリットとしては会計時間の短縮や事務作業の削減などが挙げられている。一方で、想定している上限と比べて決済事業者に払う手数料が「大幅に高い」「高い」といった課題を半数近くの事業者が抱えている。

手数料の課題はあるものの、スーパーマーケットでのキャッシュレス化は今後も進んでいくことは間違いない。スーパーマーケット業界でもDXの一環としてキャッシュレスと絡めた展開が行われており、会場でもPOSメーカーなどのソリューションが展示されていた。

顧客が会計を行うことで人員不足などの課題に対応できるレジカートやチェックアウトソリューションは複数のブースで展示やデモが行われていた。これらのソリューションは店舗DXの実現などに向けスーパーマーケットでも導入や検討している企業が増えている。

寺岡精工のブース。開催初日となる15日には数多くの来場者が訪れていた

カートやチェックアウトで購買体験向上へ
スマートレシートがポイント機能搭載

パナソニック産機システムズは、「セルフレジ機能付きスマートショッピングカート」の提供を行っている。店舗DXをキーワードとしてスーパーマーケットに提案している。バーコードリーダー機能付きのタブレット端末(縦型)が装備されており、利用者は商品を手に取ってバーコードを読み取ることでき利用可能だ。また、重量センサーが付いており、スキャンされていない商品がかごに入った場合警告を出すことが可能だ。展示デモではタブレットによるQRコード決済(PayPay)のデモも実施した。

実績という意味では、トライアルグループのRetail AIがリードしている。什器はパナソニック産機システムと同じメーカーから仕入れているがRetail AIのAIショッピングカートではタブレットが横型になっている。同社のAIショッピングカートは独自開発のAIレコメンドシステムを搭載しており、パーソナライズされた独自情報を配信できる。また、スキャン漏れなどがないようにする機能も備わっている。

同展示会では、AIショッピングカートがフクシマガリレイや東芝テックのブースで展示されていた。例えば、東芝テックとRetail AIでは、共同プロジェクトとして、東芝テックのグローバルリテールプラットフォーム「ELERA(エレラ)」上でショッピングカートが稼働する仕組みを構築し、2023年春以降のサービスを開始する。

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