2023年3月10日8:00
雨天時や降雪時、寒冷時にも車内でスムーズに精算可能に
タイムズパーキングでは、2022年1月18日から、精算機を使わずに「タイムズクラブアプリ」のみで駐車料金の支払いが完結するサービスを本格的に開始した。スマートフォンのアプリを使って、精算機に触れることなく、車内での精算が可能なため、雨天時や降雪時、寒冷時に車外に出る必要がない便利さが特徴だ。全国のタイムズパーキング約2,800カ所でスタートし、順次拡大している。今後、地方自治体や医療機関など、管理する駐車場に合わせた優待の仕組みを開発することで、アプリ会員の拡大を目指す。
タイムズクラブアプリが進化
全国約3,200カ所にアプリ精算が拡大
タイムズクラブアプリは、ドライバー向け会員制サービス「タイムズクラブ」のスマートフォンアプリ。アプリ内のデジタル会員証によってポイントを貯めたり、全国約2万カ所の優待施設でサービスを受けたりすることができる。さらに、アプリにクレジットカードを事前登録すると、タイムズパーキングや、タイムズのキャッシュレス決済サービス「Times PAY」を導入する加盟店でQRコードによるアプリ支払いができると同時に、支払った金額に応じたタイムズポイントが貯まる。
首都圏・関西圏の一部タイムズパーキングで、「タイムズクラブアプリ」のみで駐車料金の支払いが完結するサービスのテスト運用を行ってきた。テストモニター調査で他物件への展開を希望する声が多く、全国展開を決めた。対象となる駐車場は、タイムズの駐車場検索サイト「パーキングインフォメーション」で確認できる。
会員マーケティング本部タイムズクラブ推進部長の伊勢崎栄基氏は「当初はコロナ禍で、精算機に非接触で精算できるニーズを想定していましたが、蓋を開けると、天候条件や荷物が多くて手が空かない、またお子様連れなどで『精算を不便に感じてしまう』ような状況でも、クルマの中からスムーズに精算できる点がセールスポイントになることがわかりました」と話す。
タイムズクラブの会員数は
20年間で1,000万人突破
「タイムズクラブ」は、入会金・年会費無料のドライバー向け会員制サービス。パーク24グループのサービスを利用すると、タイムズポイントが貯まる。貯まったポイントはグループサービスの利用料へ充当できるほか、商品券や商品などに交換することができる。2003年3月のサービス開始以降、カーシェアリング「タイムズカー」や予約制駐車場「タイムズのB」などでもポイントが貯まる・使えるようにしたほか、会員証の「タイムズクラブカード」を提携する店舗に提示することで優待を受けられるようにした。また、付帯駐車場をタイムズパーキングとして管理運営しているスーパーや百貨店などではタイムズポイントをその場で施設のギフトカードに交換できるサービスを展開し、施設集客のアシストも行っている。
一方、タイムズパーキングではこれまで、現金に加え、クレジットカード、駐車サービス券「タイムズチケット」、交通系・流通系電子マネーやタイムズクラブアプリによるQRコード決済など、駐車料金の決済手段を多様化し、利便性の向上を図ってきた。
タイムズクラブアプリの展開により、タイムズクラブカードの携行が不要となるだけでなく、グループサービスなどで貯めたタイムズポイントを1ポイントから駐車料金の支払いにダイレクト充当できるようになった。さらには、決済手段にPayPayを追加するなど、これらの取り組みにより、サービス開始から約20年を迎える2023年1月に会員数が1,000万人を突破している。
スムーズな精算などの利便性で
「選ばれるタイムズ」を目指す
伊勢崎氏は「タイムズクラブの会員の中核層は40~50歳代ですが、アプリ会員の中核年代はそれよりも10歳くらい若い傾向です。例えば、カーシェアリング会員のボリュームゾーンは20歳代で、こうした若年層に駐車場利用を促すために、アプリが提供する機能の充実によってワクワクしていただけるようなサービスを取り入れていきたい」と話す。
パーク24は、地方自治体や医療機関などの駐車場を管理運営している。今後、アプリにナンバープレート情報など各種データを紐付けることで、市営・区営などの自治体駐車場で地域住民向けの優待サービスを提供したり、医療機関駐車場の外来利用者向けに、よりスムーズな精算を実現するようなサービスの提供を検討しているという。
伊勢崎氏は「ユーザーが駐車場を快適に利用できる環境を実現するためにできることはスピード感をもって挑戦し、手を替え、品を替え、改善し、さまざまな方法を先入観なく実施していきます。当面はアプリの機能充実による利便性向上に注力し “目的地から遠くても選ばれるタイムズブランド”を確立し、その結果として会員稼働率を高めていければと思っています」と意気込んでいる。今後は、会員だけに拘らず【タイムズブランドの利用者全体】に目を向けた利便性や付加価値向上につながるサービス開発を見据えている。