2023年4月3日7:50
Mastercardの子会社であるDynamic Yieldは、Dynamic YieldのExperience OSにMastercard独自のアプリケーションおよび拡張機能を統合したElementを発表した。パーソナライゼーションに対する消費者の要望が高まる中、企業は、消費者に寄り添った体験を大規模に提供するため差別化したアプローチをとる必要がある。Mastercardが独自に開発した予測モデルと消費者支出に関する洞察を集約することで、小売業者からトップブランド、銀行まで、さまざまな業種の顧客が、あらゆるデジタルチャネルでより優れたパーソナライゼーションを提供できるようになるという。
Elementは、オープンかつモジュール化され、フルカスタマイズ可能なコアフレームワークでアプリケーションを編成するDynamic YieldのオペレーティングシステムであるExperience OS内で、選定されたMastercardのサービスへ直接連携させる。この統合された方法により、顧客は独自の組み合わせでDynamic YieldとMastercardの機能を使用することができる。
同ソリューションでは、Mastercardの傾向モデリング技術を応用し、カード発行会社がパーソナルバンキング・プラットフォームの関連サービス、製品、コンテンツを収集、選別、編集することで効果的かつ動的に既存のカード会員へ共有できるよう支援する。また、Mastercard SpendingPulseを使用して地域の消費傾向を把握し、小売売上高のマクロ経済の指標となるデータを特定し、地域レベルでのパーソナライゼーションを強化するという。さらに、Market Basket Analyzerで製品、場所、製品属性の関係を特定し、これらの洞察を利用して、よりスマートなパーソナライゼーションの意思決定を推進するそうだ。
なお、Mastercardは、2022年にDynamic Yieldを買収し、消費者エンゲージメントとロイヤリティのサービス群を強化し、企業がチャネルを超えてより効果的で信頼できる体験を提供できるよう支援している。Mastercardのアプリケーションと拡張機能のElementスイートは、Experience OSで契約した顧客向けに提供されているが、各アプリケーションの提供は地域によって異なる場合がある。Mastercardは、徹底したPrivacy by Design(プライバシー バイ デザイン)の取り組みに基づき、最高水準のプライバシー保護策をすべてのプロダクトおよびサービスに組み込み、データを匿名化して動向を調べ、洞察を作成するという。Mastercard社内に加え、すべてのパートナーやベンダーの間でも、データの安全性とセキュリティを確保するために厳格な基準を採用している。
この記事の著者
ペイメントナビ編集部
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