2023年6月9日7:00
旭化成、ファミリーマート、伊藤忠商事、伊藤忠プラスチックス(CIPS)、コカ・コーラ ボトラーズジャパンは、資源循環社会の実現に向けたデジタルプラットフォーム構築プロジェクト「BLUE Plastics(ブルー・プラスチックス)」の取り組みの一環として、使用済みペットボトルを回収箱に投函したあと、リサイクル素材や製品に加工されるまでを、スマートフォンのWebアプリでトレース(追跡)できるサービスの実証実験を、2023年6月15日から、東京都内のファミリーマート3店舗で開始する。
実証実験は8月31日までの期間を予定しており、アプリの稼働状況や、消費者の行動変容、再生プラスチックの利用促進に与える影響などを検証する。
2022年9月~11月に、旭化成、ファミリーマート、伊藤忠商事およびCIPSは、東京都葛飾区のファミリーマートにおいて、実店舗における初めてのブロックチェーン技術を活用したトレーサビリティ(追跡可能性)の実証実験を行った。その結果、スマートフォンアプリの利用により、当該店舗でのペットボトル回収量が通常の2倍以上に増加し、品質(ボトルの洗浄・ラベルの除去などの質)も大きく向上することが確認できたそうだ。
前回はリサイクル企業までの追跡だったが、2回目となる今回は、コカ・コーラ ボトラーズジャパンの参加により、ペットボトルが再び製品に生まれ変わるまでトレースすることが可能になった。加えて、今回はアプリのアップデートも行い、リサイクルの成果を消費者がより実感しながら参加できる仕組みを構築することで、回収品の量と質をさらに向上させることを目指す。
コカ・コーラ ボトラーズジャパンの参加により、回収したペットボトルの一部が新たなペットボトルに生まれ変わり、水平リサイクルに活用される。パートナー企業のメンバーも4社から8社に増え、ペットボトルの回収から最終製品メーカーまで一貫した実証実験となる。自分の投入したペットボトルが最終製品までたどりつくことを確認できることで、より消費者の興味関心や行動変容が喚起されるものと期待される。
また、スマートフォン向けのWebアプリをアップデートし、①各店舗および参加者全体でのペットボトル投入数ランキング、②回収されたペットボトルのリサイクル状況を地図上で確認、③クイズや動画など、リサイクルの知識を提供(コンテンツ提供:一般社団法人 プラスチック循環利用協会)、といった機能が加わった。
投入数ランキングで自分の順位を確認できるようになり、他の参加者との一体感の醸成や、情報提供による理解促進などを通じて、消費者の参加意欲の向上が期待されるそうだ。
なお、投入したペットボトルのトレーサビリティ、個人の活動成果(投入ボトル本数、投入回数、リサイクルによるCO2削減量)、投入によりアプリ内で植物が成長といった機能は継続して利用できる。
実証実験は、東京都千代田区と世田谷区、品川区内の計3店舗で実施。前回は葛飾区の住宅立地の店舗で実施したが、今回は都心の駅前立地や商業立地、若年層が多いエリアなどの店舗で実施し、立地や客層による回収量・質の変化を確認する。また複数のパートナー企業の参加ができるよう選出している。
サービスの利用者が、ファミリーマートの店頭に設置された専用の回収箱に、使用済みペットボトルを投入する。その際、利用者は回収箱に記載された二次元コードをスマートフォンで読み取り、投入したペットボトルの本数をWebアプリ上で登録する。登録後は、投入したペットボトルが地図上でどこにあるか、現在どの企業がどのような処理を行っているかを確認できるようになる、
6月15日10時~15時には、各店舗にて店頭体験イベントを開催する。イベントに参加者(各店舗先着100名)に、ペットボトル飲料1本をプレゼントする。また、実験期間中、参加者へのWEBアンケートを実施。アンケートに回答した人全員に、Coke ON対応の自動販売機で好きなドリンク1本と交換できる「Coke ONドリンクチケット」をプレゼントする。
今後、旭化成、ファミリーマート、伊藤忠商事、CIPSおよびコカ・コーラ ボトラーズジャパンは、本実証を含む一連の取り組みを通じて、デジタルプラットフォームによるトレーサビリティの価値を確認し、さらなるプラスチック資源循環を推進していくそうだ。