ガイアックスがステーブルコイン市場に参入、資金決済法改正により決済への影響は?

2023年6月23日9:05

ガイアックスは、2023年6月22日、DAO(Decentralized Autonomous Organization:分散型自律組織)上でのステーブルコイン決済の導入に着手すると発表した。2023年6月1日の資金決済法改正により、ステーブルコインの定義が明確化されたことで、今後、地域の金融機関でもステーブルコインの発行が始まると同社では見ており、積極的に導入を推進していく。

ガイアックス web3事業本部長 / 一般社団法人日本ブロックチェーン協会 理事 峯荒夢氏。年内は、各金融機関への DAO の啓蒙活動を行い、5社を1つの目標に、ステーブルコイン導入に向けたプロジェクトを進める

DAOへ積極的にステーブルコイン導入
地銀の地方創生を支援

ガイアックスは、1999年創業で、2005年に上場した。ソーシャルメディアとシェアリングエコノミー領域、web3・DAOのサービス開発に注力するスタートアップだ。中でも日本初となるweb3/DAOプロジェクトを先行して複数立ち上げている。複数自治体を横断する日本初の連合DAO「美しい村DAO」を開発するなど、多くのWeb3.0および地方創生における知見を蓄積してきた。

同社では今後、NFTなどのトークンの購入の決済にステーブルコインを積極的に導入していくことを目指す。DAO内の基軸通貨として、独自トークンを持たない場合は、資金管理にステーブルコインを提案していく。また、メンバーへの送金もステーブルコインで自動化する。さらに、DAO内の基軸通貨があったとしても、決済にステーブルコインを提案していくとした。

また、ステーブルコインはプラットフォーム提供業者と銀行・信託会社が組むことで実現する。特に重要なキープレイヤーであるプラットフォーム提供業者と連携・提携するとともに、DAOへの実装や、ユーザーの布教活動も行うという。

日本全国で使える都市銀行とは、ステーブルコイン導入に積極的に関与していく。また、地方銀行とは地方創生案件においてステーブルコインの導入を積極的に推進していく。さらに、特定のエリアの地域DAOなどの案件でも地方銀行とDAOをつなぐ活動を行う。例えば、鳥取と静岡の銀行など、異銀行間のステーブルコインの交換についてもプラットフォーム事業との連携の上、実現させるという。

ガイアックスでは、ステーブルコインのプラットフォーマーと組んで、地方銀行への導入支援を実施。また、地方銀行の新しいビジネスやマネタイズ、地域活性のサポートを強化するそうだ。

ステーブルコインの定義が定められる
購入・換金がより便利に

改正資金決済法は、昨年6月3日の国立で成立し、1年の猶予期間を得て2023年6月1日に施行された。「ステーブルコインの定義が世界に先駆けて定められました」(web3事業本部長 / 一般社団法人日本ブロックチェーン協会 理事 峯荒夢氏)。また、取り扱いも明記された。資金決済法は、ブロックチェーンやWeb3でも注目されており、仮想通貨の定義、取引所の規制を定めた法律でもある。

峯氏は「ステーブルコインの定義を平たく言うと、1円1コイン購入でき、1コイン1円での買取が保証されるもの」と話す。これを実現するためには、買取保証をするため、受け取ったお金はそのまま保存されていることとなる。

発行会社は3つに分けられる。1つは信託会社となり、信託の仕組みを用いてお金を預けてもらい、信託受益権としてステーブルコインを発行する。また、受け取ったステーブルコインを流通させる。

2つ目は、銀行や資金移動業者だ。銀行は預金残高を担保にコインを発行する。預金をATMから引き出すイメージでコインを流通させるという。「資金移動業については、未達債務と言って、利用者からお金を受け取ってコインにして流通させる。そのお金は全額保存が義務づけられます。ユーザーから見ると、Suicaや〇〇Payに近いと思います」(峯氏)。事業資金とは別に管理することが義務付けられる。

3つ目は海外プロジェクトとなり、従来の暗号資産と同じで、海外の暗号資産交換業者が流通する申請をして、許可を取得する。

なお、日本の法律では、価値の変動などに対し、全額保存することで、破綻があったとしても変換できる準備をしていく。また、マネーロンダリング対策などは別途規定が設けられている。

許可型の「パーミッションド」は、ステーブルコインの台帳の部分を許可型のデータベースやブロックチェーンで管理する。発行体である特定の企業やアライアンス台帳管理を行う。それをアプリに載せて移転することを指示し、お金を動かすことができる。今回の法改正ではこの部分の座組を明確化しており、企業間のアライアンスでコインが流通できるようになった。

一方、許可なくても利用できる「パーミッションレス」は、ステーブルコインの台帳としてパブリックブロックチェーン、つまり「ビットコイン」のようなものを利用する。そのうえで、お金を動かす部分は、「イーサリアム」が代表となるようなスマートコントラクト上で動かす。発行するまでは銀行が発行し、その後はスマートコントラクト上で動かし、個人のウォレットに送金されて、さまざまなDAppsで利用できる。

ステーブルコインの購入や換金のイメージの推測として、銀行に預金したお金をステーブルコインに変換して、個人のウォレットに移行して買い物などで利用できる。また、それを戻すことによって銀行口座で受け取ることができる。こういった銀行口座と紐づくとなると、〇〇Payの体験に近いが、「決定的な違いは換金の部分で、お金に戻すことができることです。ステーブルコインは現金への換金が保証されているのが大きな違いです」と峯氏は説明する。また、暗号資産の取引では、従来の暗号資産の取引と大きく変わらない。銀行口座から暗号資産取引所にお金を移し、移したお金からコインを購入して、購入したコインをウォレットに送金し、利用する。また、入ってきたコインを取引所に戻す。

クレジットカードから決済の変化の可能性も
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