2023年8月1日9:20
楽天ペイメントは、2023年7月27日に記者説明会を開催し、リアル店舗向けの決済端末「楽天ペイ(実店舗決済)」において、オールインワン決済端末「楽天ペイ ターミナル」を取り扱い開始すると発表した。同社では、mPOSの「楽天ペイ カードリーダー」など中小や個店向けの決済サービスを展開してきたが、一台で支払いを便利にできるオールインワン決済端末の投入で実店舗のキャッシュレス化を全方位で支援するという。
利用者に加え店舗のデジタル化支援
mPOSで中小や個店の決済を便利に
同説明会ではまず、楽天ペイメント執行役員 CMO 諸伏勇人氏が挨拶した。同社では、7月13日にスマホ決済サービス「楽天ペイ(アプリ決済)」と共通ポイントサービス「楽天ポイントカード」で、今夏「おトクなペイは楽天ペイ スーパー還元」キャンペーンを発表したが、「前後比での新規獲得は倍の成長を見せています。アプリストア、ファイナンスカテゴリでも首位を取っています」と諸伏氏はキャンペーンの成果を述べる。楽天ペイアプリでは、オープン戦略のスタンスを取っており、さまざまな決済手段を1つのアプリに搭載することで、決済のフルデジタル化を目指している。利用者の利便性向上はもちろん、店舗側のフルデジタル化を支援することでそれが実現できるとした。
キャッシュレス業界とモバイルPOSの展開については、執行役員 営業第二本部長 末吉覚氏が紹介した。楽天グループでは、2012年から中小や個店など、街のお店向けの決済サービス「楽天ペイ(実店舗決済)」(旧楽天スマートペイ)を展開している。「当時から消費者向けには楽天カードを提供していましたが、キャッシュレスの推進においてはお客様と店舗の両輪で進めることが重要であり、特に中小店舗で採用しやすいソリューションを提供しています」(末吉氏)。同社では初期費用2,980円の「安い」、利用開始まで最短3営業日の「早い」、最短翌日入金の「便利」という3つのコンセプトでサービスを展開している。
サービス開始から10年が経過したが、mPOSとして業界初のクレジットカード主要6ブランドに対応。手数料も業界最低水準の3.24%で提供している。サービス開始当初はイヤフォンジャックで磁気ストライプを読むサービスだったが、EMVの接触ICに準拠した端末機も業界初で提供した。さらに、消費者向けの楽天ペイ(アプリ決済)がスタートした際に店舗で活用できるようにしたのも業界初だという。その後も店舗の要望を受け、電子マネー、国際ブランドのタッチ決済にも対応している。
現在提供するmPOSの「楽天ペイ カードリーダー」は、タブレットやスマートフォンにBluetooth接続して決済が利用できるサービスだ。同製品には4つの特徴があり、まず、主要なクレジットカード、電子マネー(楽天Edy,交通系、nanaco,WAON,QUICPay,iDなど)、楽天ペイ(アプリ決済)やau PAYに対応している。また、店舗が持つスマートフォンやタブレットに接続して利用できるため導入障壁が低い。さまざまな決済手段を業種や業態、規模にかかわらず一律の手数料3.24%で提供している。経済条件も同一で、業種・規模かかわらずランニング費用が発生することがないため、採用しやすいサービスだという。さらに、サービスの開始当初から、楽天銀行の場合最短翌日入金できるため、高い評価を受けているとした。
オールインワン決済端末のニーズが高まる
「安い」「早い」「便利」を強化
決済端末のトレンドとして、mPOSは導入の障壁が低く、スマートフォンと連携できるため継続したニーズがあるが、直近では、持ち運びできて、プリンタの付いたオールインワン決済端末のニーズが高まっているという。また、日本のキャッシュレスの環境を見ると、年々着実に上昇しており、2025年までは40%まで成長すると見込まれる一方で、個人事業主で運営している飲食店や美容室、クリーニング店などの導入が遅れている。そのため、導入しやすいソリューションや端末が必要になっている。海外を見ると、中国は8割、韓国は9割強となっており、現在約30%の日本は今後もさらに伸びしろがある。
同社は7月27日から「楽天ペイ ターミナル」の販売を開始。前述のmPOSの特徴である「安い」「早い」「便利」を強化し、街の店舗を支援するそうだ。
PayPayやd払い、インバウンドのQR決済にも対応へ
「楽天ペイ ターミナル 導入0円キャンペーン」実施
具体的な製品の特長については、プロダクト本部 楽天ペイプロダクト部 副部長 井上 卓也氏が紹介した。同製品は、決済、タブレット、通信、プリンタ機能を1つのターミナルで完結するオールインワン端末だ。QRコード、クレジットカード、電子マネーに対応し、楽天ポイントカード機能を秋よりリリースする。通信機能は4G LTE/Wi-Fに対応。また、レシートを印字できるプリンタ機能がある。カラーは赤、黒、白の3色を用意し、お店のテイストによって選択可能だ。
POS連携では、「ユビレジ」などと連携することでよりスムーズに決済を管理することが可能になる。また、PayPayとd払い、Smart Code、インバウンド向け決済(WeChat Pay、Alipay及びAlipay+、UnionPayなど)のQRコード決済も順次対応を予定している。
井上氏は「こだわった点として、楽天モバイルとの協業により、これまでの『安い』『早い』『便利』に加え、『高品質』な決済端末を実現しています。楽天モバイルのハード品質基準として、耐久性、耐熱性、耐震性がクリアになっています」と話す。また、店舗ニーズに合わせた業務アプリを順次アプリセンターへ配信する。その第一弾として楽天ポイントカード機能 (使う・貯める)を今秋頃より提供する予定だ。端末のデザインもスタイリッシュでモダンであるとした。井上氏は「少しマットな素材を使っており、持ちやすくてグリップ力が強い」と話す。利用用途として、テーブル決済や屋外決済などでの利用を想定している。例えば、楽天モバイルパーク宮城のような屋外で決済可能だ。すでに先行導入したお店からもポジティブなコメントをもらっているという。
新端末の取り扱い開始を記念したキャンペーンについては、執行役員 営業第二本部 副本部長 近藤 嘉徳氏が紹介した。同社では新規加盟店限定で「楽天ペイ ターミナル 導入0円キャンペーン」を2023年7月27日~10月31日まで実施している。「楽天ペイ(実店舗決済)」の新規申込み審査通過、キャンペーン エントリーで「楽天ペイ ターミナル」を無償提供するそうだ。
トータルコストの比較としては業界最安水準を自負
アプリセンター、mPOSの成長とCOTS対応への見解は?
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