岩国市や和木町でデジタルデバイド解消に向けてオンラインチェックインを疑似体験

2023年11月8日11:40

KDDIは、ANAあきんど、山口県岩国市、山口県和木町、ANAあきんどとともに2023年11月14日から、岩国錦帯橋空港などの3カ所で、デジタルデバイド解消に向けて、オンラインチェックインなどを疑似体験するデジタルサービス体験型スマホ教室を開催すると発表した。

左から岩国市 総合政策部 デジタル推進課 デジタル推進班長 船本 和利氏、KDDI 経営戦略本部 副本部長 江幡 智広氏、ANAあきんど 執行役員 地域創生部長 池田 暢也氏、和木町 企画総務課 主任主事 吉田 郁也氏

デジタル体験型のスマホ教室を企画
疑似アプリでオンラインチェックイン体験

今回の教室では、Webブラウザーの使い方などの基本操作のほか、KDDIが同教室のために開発したQRコードリーダー(二次元バーコードリーダー)を活用し、オンラインチェックインや二次元バーコードを使った搭乗の疑似体験をしてもらう。デジタルサービスを疑似体験することで、デジタルサービス利活用を促進し、デジタルデバイド解消につなげるそうだ。

60歳以上の人の楽しみの1つである旅行にフォーカスし、デジタル体験型のスマホ教室を企画した。航空業界では、空港でのオンラインチェックイン、ツアーの申し込みなどオンラインサービスが拡大している。そのため、スマートフォンを活用した便利な旅行を体験してもらう狙いがある。まずは、岩国市の岩国錦帯橋空港(2023年11月14日 13:00~15:00)、山ほたる(美川ムーバレー)(2023年11月20日 13:00~15:00)、和木町の和木町文化会館講習室(2023年12月8日・12月15日 13:30~15:30)でオンラインチェックインの疑似体験ができるスマートフォン教室を開催する。

QRコードリーダー(二次元バーコードリーダー)を活用し、オンラインチェックインや二次元バーコードを使った搭乗の疑似体験(実際の体験では疑似ANAアプリを利用する)

岩国市や和木町はDX推進目指す
高齢化やアクセス面からも有意義に

岩国市は、創建350年を迎えた錦帯橋を有する街だ。市内には5つの酒蔵があり、羽田空港から90分で到着する。岩国市 総合政策部 デジタル推進課 デジタル推進班長 船本和利氏は「市は9割が中山間地域となっており、ほかの自治体同様、人口減少や少子高齢化の課題がある中で、効率的に一定水準以上の行政サービスを提供するためにはDXの推進が必要」だと話す。特にデジタル機器に不慣れな人への対応が必要となり、これまで高齢者へのスマートフォン購入補助、訪問型のスマホ教室を実施している。今回の取り組みについて船本氏は「地域の皆様がデジタルサービスに触れて、デジタルを身近に感じてもらうとともに、デジタルサービスへの関心が高まり、広まることを期待します」と述べる。岩国市では便利で質の高い行政サービスに努めるとともに、企業のアイデアやノウハウを活用し、誰1人取り残さないデジタル社会の実現に向けて、取り組んでいきたいとした。

和木町は、今年4月に町施行50周年を迎えた。山口県の東の玄関口に位置しており、かつては日本初の石油コンビナートを形成した。町ではマイナンバーカードの取得推進、国が進める自治体DXの推進に基づき、情報システムの標準化、パスポート交付、AIの連携などで、地位社会のデジタル推進に向けて取り組んでいる。また、子育て支援に力を入れており、給食費の無料化、子供の医療費の助成などを行っている。交通面では、広島県の大竹駅、岩国インターまで15分となり、JR山陽新幹線まで車で15分、錦帯橋まで15分と交通アクセスに優れている特徴がある。和木町 企画総務課 主任主事 吉田 郁也氏は「旅行を趣味としている人もおり、日常的な趣味として航空機や新幹線などの公共交通機関を利用しての旅行が多いです。今回のスマートフォン教室は直接参加者が身近なデジタル技術を体験できる有意義なもの」であると期待した。

2024年度に累計1,500万人のデジタルデバイド解消へ
ショップに加え、車両や自宅訪問で移動困難な人を支援

KDDIは、2030年に向けたKDDIグループのありたい姿を「KDDI VISION 2030」として掲げた。『つなぐチカラ』を進化させ、 誰もが思いを実現できる社会をつくることを目指している。「中期経営戦略(2022-24年度)」では、パートナーとともに社会の持続的成長と企業価値の向上を目指す「サステナビリティ経営」を根幹に置いており、事業戦略、経営基盤強化を両輪で進めている。KDDI 経営戦略本部 副本部長 江幡 智広氏は「KDDIの社会的使命は、つなぐことになる。命、暮らし、心をつなぎ、あらゆるシーンに通信が溶け込み、社会課題が解決されることを目指しています」と話す。その1つとして、2024年末までに1,500万人のデジタルデバイドの解消を掲げており、地域社会の抱える課題に向き合って地域共創を図るという。

現在、スマホの所有率は60代で8割、70代で6割まで増えている。一方で、実際にスマホを所有する高齢者は家族や友人との電話やメール、LINEなどに限定されている状況だ。KDDIでは今後、行政や金融機関のオンライン手続きなど、自身の行動がアップデートされるなど、生活が豊かになるような利用を進めていきたい考えだ。

KDDIは高齢者などのデジタル活用における不安の払しょくに向けて、全国レベルでのスマホ教室、マイナンバーカードの申請や登録が受けられるようなデジタル支援活動講座をauショップやUQスポットの1,800店舗で開催している。また、auショップなどへの移動が難しい人に対しては、車両型出張auショップ、自宅訪問型スマホ教室などの実証事業を開始している。

2023年8月には、一般社団法人まるごとデジタルを高知県日高村など全国の自治体、チェンジと共同で設立した。まるごとデジタルでは、自治体ごとに異なる課題に適した課題解決策の協議や実行支援を行うことで、全国に広がる自治体のデジタルデバイド解消に取り組んでいる。例えば、日高村では2020年5月時点で65%のスマホ普及率だったが、今では80%を超える数値となっている。江幡氏は「単にスマホを持つだけではなくスマホを使う生活まで進んできています。それをさらに大きくしていくために一般社団法人を設立しました」と説明する。また、デジタルデバイド解消のテレビCMも制作し、11月から放映開始している。

会見が行われたGINZA 456 Created by KDDIではKDDIの地方創生の全国的な取り組みを日本地図で表現

交通や買い物、行政手続きなどに拡大へ
スマホ活用でデジタルデバイド解消を目指す

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