2024年4月23日8:10
ダイナースクラブカードを発行する三井住友トラストクラブが2023年11月にリリースした「ダイナースクラブ公式アプリ」は、パスワード不要で簡単に認証できる生体認証「FIDO」を採用し、セキュリティを強化している。生体認証「FIDO」の導入については、Capy、TISの業務支援を得た。指紋や顔を生体認証設定すると、次回起動時に、パスワードの入力やパズル認証なくアプリを利用できる。また、ダイナースクラブ公式アプリの大幅リニューアルのタイミングに合わせて、同様に機能とセキュリティ面に配慮した生体認証「FIDO」を導入した「TRUST CLUBカード公式アプリ」もリリースしている。
利用金額をアプリネイティブで表示するため、
自社アプリを2年かけて構築
ダイナースクラブ公式アプリ刷新の背景について、三井住友トラストクラブ商品統括本部マーケティング企画部デジタルプランニングチーム主任 今井凌氏は「お客様から寄せられた声に応え、ホーム画面で利用金額やポイント数をひと目で確認できるように工夫したほか、キャンペーン、優待やサービス、クーポンなどのお得情報を一覧で確認できるようにしました」と話す。
2022年4月から23年6年にかけて行われた「お客様アンケート」の集計結果では、100件を超えるアプリ関連の声が寄せられたという。そのなかでの意見は、「即時に明細や利用状況を確認したい」という要望が約半数以上で、そのほか「わかりづらい、使いづらい」という声が寄せられていたという。
2018年9月にリリースしたダイナースクラブ公式アプリは、外部サービスが構築したもので、自社主導での機能拡張に難があった。今井氏は「デジタル化の進展に対応し、競合他社のアプリがさまざまな機能を追加搭載する中で、既存アプリの枠から出られず、もどかしい気持ちを抱えていました。特に、利用金額をアプリネイティブで表示できないことが課題で、2年かけて自社アプリの構築に取り組みました」と振り返る。
パスワード不要で簡単に認証できる
生体認証「FIDO」を採用
公式アプリの強みは、より安全・安心に公式アプリを利用できるように、パスワード認証がいらない新しい規格の生体認証であるFIDOを導入したことだ。指紋や顔を生体認証設定すると、次回起動時に、パスワードの入力やパズル認証なく、アプリを利用できる。
生体認証ソリューションは、国際標準規格として認定されているFIDO規格に準拠したサービスになっており、FIDO規格では高いセキュリティを保ちながら、ユーザビリティを損なうことなく認証できるのが特徴だ。FIDO認証は、公開鍵暗号方式を用いた認証方式の一種。認証に必要な秘密情報は、ネットワーク上での伝送やサーバー側での保存の必要がないため、セキュリティを強化することができる。この場合の端末は、指紋認証モジュールや顔認証モジュールを搭載したスマートフォン(FIDOクライアント)が想定されている。
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