2023年10月23日19:39
フランス・タレス(Thales)は、企業が強固な多要素認証(MFA)を実現するためのセキュリティ・キーである、SafeNet IDPrime FIDO Bioスマートカードを発表した。この新しい非接触型スマートカードにより、ユーザーはパスワードの代わりに指紋を使って企業のデバイス、アプリケーション、クラウドサービスにアクセスすることができるという。
ベライゾンの2023年データ漏洩/侵害調査報告書によると、攻撃者が組織にアクセスする主な手段として、認証情報の盗難、フィッシング、脆弱性の利用の3つがある。実際、データ侵害の49%は認証情報の盗難によるものだ。クラウドに移行する組織は、こうした脅威に最優先で取り組む必要があるが、多くの組織では、その煩わしさによりMFAの導入が進んでおらず、問題解決に向け取り組んでいるという。
SafeNet IDPrime FIDO Bioスマートカードは、エンドユーザーにパスワードレスのMFAの採用を促し、生体認証を使用することで簡易に登録・認証ができるようにする。ユーザーはパスワードの代わりにカード上の指紋センサーによりアクセスが可能だ。同スマートカードは非接触機能にも対応しており、ユーザーはNFC対応デバイスにカードをタッチすると使用できる。また、このスマートカードはこれまでのパスワード認証に比べてスピード、セキュリティ、利便性の面で優れているなど、企業ユーザーにとってさまざまなメリットがあるという。
セキュリティ・キーを使用することにより、ユーザーは会社のデバイス上でのアカウント乗っ取りやフィッシング被害から保護が可能だ。ユーザーの生体認証情報はカードのチップに安全に保存され、スマートカード自体から切り離すことができない。Windows、Mac、LinuxといったFIDO2の規格に対応するあらゆるデジタルリソースに、このソリューションを活用することができるという。
タレスは、金融機関に対して非接触型生体認証決済カードを提供している。今回、SafeNet IDPrime FIDO Bioスマートカードが加わることで、同社におけるFIDOセキュリティ・キーのポートフォリオはさらに拡充され、これで同社は法人顧客に対しても、同じ安全性が確保された生体認証機能を提供できるようになるという。
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ペイメントナビ編集部
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