NECの世界トップクラスの精度や実績を誇る顔認証、大阪・関西万博やMastercardとの連携など決済分野での拡大も

2024年6月17日7:50

NEC(日本電気)の顔認証サービスは、世界でトップクラスの精度、採用実績を持ち、FinTech領域に加え、交通機関、デジタルIDなどでの活用も目立つ。決済領域では、海陽学園(愛知県蒲郡市)やトライアル(福岡県宮若市)、南紀白浜(和歌山県白浜町)などでの取り組みに加え、2023年11月には国際ブランドのMastercardとアジア太平洋地域における生体認証決済の提供に向けた戦略的パートナーシップの覚書(MOU)を締結し、汎用的な決済に広がる可能性を示した。2024年5月には、2025年日本国際博覧会(大阪・関西万博)顔認証システムを導入することを発表したが、国内最大級の120万IDの利用を見込んでいるそうだ。同社の顔認証ビジネスの実績や強み、顔認証決済の可能性などについて説明してもらった。

池谷貴

大阪・関西万博での顔認証を活用した店舗決済イメージ写真。「stera terminal」のカメラで認証(NEC提供)

世界約50の国と地域で展開、大規模事例増加
外部評価で世界№1の顔認証技術

――NECの顔認証に関するこれまでの実績について聞きたい。
NEC:NECの顔認証技術は、過去のNIST(米国国立標準技術研究所)の静止画、動画、両方のベンチマークテストにおいて複数回No.1を獲得しています。世界No.1の技術として広く知られており、多くのお客様にお使いいただいております。NECの顔認証技術は現在、世界約50の国と地域で展開しております。

――長らく顔認証のビジネスを展開されてきたが、市場への浸透には時間がかかる部分もある。現在の成果についてはどう捉えているか?
NEC:NECは1989年に顔認証の研究開発を開始し、2002年の製品化からすでに20年あまりが経過していますが、顔認証の普及はまだ道半ばであると感じています。日常生活の中ではID、パスワードを使用するシーンは少なくありません。顔認証をはじめとする生体認証の活用が可能な用途は多く残されていると考えております。

海陽学園では、学園内の自販機および売店に顔認証による決済サービスを導入している

――貴社の顔認証の競合優位性をどう捉えているか?
NEC:NECの優位性は、精度とスピードの両立のほか、経年変化やマスク、サングラスへの対応といった頑強性の高さです。実環境における運用実績も世界約50の国と地域に展開しており、優位性があると考えております。プライバシーや人権保護への対応でもノウハウがあります。

――サービスの開始当初は顔認証の登録の手間などが課題だったと思うが、その課題は解決されてきているか。また、認識精度はどの程度まで高まっているか聞きたい。
NEC:NECのサービスはスマートフォンからの顔登録に対応しており、(手軽に顔写真の撮影や送信ができる)スマートフォンの普及により、初期登録の手間はかなり軽減されていると認識しています。

各お客様と、利用環境やニーズに合わせた仕様でシステムを設計するため、認証率は各システムで異なるため一概に申し上げられません。2024年2月に結果が公表されたNISTのベンチマーク(Face Recognition Technology Evaluation (FRTE) 1:N Identification)では、1,200万人分の静止画を用いた「1:N認証」で認証エラー率0.12%という第1位の性能評価を獲得したほか、撮影後10年以上経過した画像を用いて評価を行う経年変化のテストを含む3つのテストでも第1位とりました。

――大阪・関西万博など大規模な採用事例もでてきた。顔認証も面に広がる段階にきているのか?
NEC:決済に限らずにいえば、大阪・関西万博以前から近年、大規模な活用事例が増えてきておりましたが、大阪・関西万博などの大規模で社会的な影響の大きいイベントでの活用によりさらに普及に弾みがつくと期待しています。

顔認証決済の活用・導入はさらに進む?
決済の多様化、セキュリティ面も普及を後押し

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