2024年6月24日9:42
神奈川県立 横須賀高等学校が2024年6月22日、23日に開催した学園祭でキャッシュレス決済サービス「PayPay」が導入された。横須賀高校では、生徒が主体となって4年前から「PayPay」導入に取り組んだ。2年前の学園祭は校内限定で食販がなかったが、今回公立高校での一般参加可能な学園祭として初めて「PayPay」を導入した。キャッシュレス決済の採用は生徒や学校職員、来場者からも好評だったようだ。
95%の支払いが「PayPay」決済に
事前の広報活動で大きな混乱なく終了
2日間にわたって開催された横須賀高校の学園祭では、在校生を除く総来場者数は約5,900名、「PayPay」での決済比率は約95%を占めた。基本的には「PayPay」限定となったが、スマホを持たない人、高齢者や子供への対応のため金券も用意し、その利用率は5%にとどまった。
横須賀高校 森田裕一先生は「学園祭は生徒主体で計画していますが、4年前に生徒が調べて、『PayPay』を導入しました」と説明する。キャッシュレスによる利便性向上や現金管理の削減に加え、当時はコロナ禍でキャッシュレス決済により接触を防げるメリットもあった。2年前の学園祭は校内限定で、また食販もなかったが、その成果を踏まえ、一般参加者を含めたキャッシュレス学園祭を実施することとなった。
飲食や物販の支払いには「PayPay」のユーザースキャン方式(MPM:Merchant Presented Mode)を採用。利用者は、自身のスマートフォンでQRコードを読み取り、自ら金額を入力。生徒が金額を確認してから支払いが行われる。仮に誤って会計された場合は、教職員がPayPayの管理画面で返金処理を行う。
2日間の開催では、「PayPay」利用者が多かったことと、事前に文化祭実行委員が「PayPay」の登録方法を周知した。文化祭実行委員の角井奏介さんは「(2年前より)普及率が高まってスムーズに決済できています」。高田菜未さんは「インスタグラムなどのSNSなどで広報活動をして、より多くの人に発信するようにしました」と話す。また、事前に生徒がPayPayの受け入れに向けた講習を行うことで、大きな混乱なく、学園祭を終えることができたそうだ。
焼き鳥などを販売した生徒の中村友哉さんは、「現金でお釣りをやり取りするよりは格段に早いです。お釣りの受け渡しの手間がかかるので、『PayPay』ですぐ決済できるのでいいです」と語った。実際に同店舗で焼き鳥を購入した学生は「PayPayはよく使います。親に3,000円送金してもらいました。現金よりも早くて便利です」と話す。
生徒のキャッシュレス理解につなげる
小銭の用意や入金など職員の負担も軽減
今回、横須賀高校はPayPay加盟店として契約。公立高校の場合、契約の主体は校長となる。伊藤唯一朗先生は、「教員減の負担減、生徒のキャッシュレスの理解につながりました。文化祭で使ってもらい、これからの先のことを考える良い機会となりました」と成果を述べる。普段、学生が販売員としてキャッシュレス決済を処理することは少ないが、貴重な体験の場を提供することができたという。
「PayPay」の導入は教職員の負担軽減にもつながる。これまでの学園祭では金券を使用していたが、事後の処理に時間がかかっていた。また、お釣りの準備の手間、実施後に銀行に入金する際のコストなどの課題があったという。そういった課題を「PayPay」は解決できる。なお、「PayPay」決済手数料率については非公表となっている。
伊藤先生は、「ほかの高校にも広がっていければいいですね。(公立高校で)横須賀高校が最初というのは嬉しいですし、神奈川県だけでも文化祭でのキャッシュレスが広がれば1つの教育として良いと思います」と語った。
今年度は倍の約40の導入を目指す
部活動費や給食費など校内キャッシュレス化へ
PayPayでは学園祭、部活動費、給食費などを含む校内購買費の営業を今年から本格的に行っている。2023年に社内規定を整備し、営業の受け入れ体制を強化している。その目的は2つあるという。
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