2024年10月18日11:51
福島県会津若松市の「スマートシティAiCT」が開所5周年を迎えた。2024年9月27日には記念式典と、国内の先進スマートシティの関係者を招いてのフォーラムを実施した。当日は、会津若松でのデータ連携基盤を活用したスマートシティの取り組みの実績から、これからの他地域への拡大に向けたビジョンについて紹介した。また、同日には会津若松市に加え、長野県や岡山県、山口県など、国内各地域でスマートシティに取り組む人々のほか、ヘルスケア、ものづくりなどの領域で地域DXに取り組むエキスパートをお呼びし、地域DXの今後などをパネルディスカッション形式で語り合った。
デジ田Type3に3年連続採択
スマートシティを支える拠点に
27日開催の記念式典には、会津若松市長 室井 照平氏、AiYUMU 代表取締役社長 八ツ橋 善朗氏などが出席した。「スマートシティAiCT」は市とAiYUMU の共同事業として国の補助金を活用してオープンした。令和3年6月には会津地域でスマートシティ事業を推し進める一般社団法人AiCTコンソーシアムが設立された。また、「複数分野のデータ連携の促進による共助型スマートシティ推進事業」 がデジタル田園都市国家構想推進交付金(Type3)に採択されている。室井氏は「特に観光、決済、防災などでデジタルサービスが実装され地域課題の解決につながっていくと考えています」と話す。現在は会津地域の取り組みを横展開するケースも出てきているそうだ。八ツ橋氏によると、スマートシティAiCTは会津地域でのスマートシティを支える拠点となっているという。
アクセンチュア日本法人 代表取締役社長 江川昌史氏も日本の成長につながるモデルを会津から広げていきたいと決意を示した。また、当日は日本政府が推進するスマートシティについて、デジタル庁 統括官 国民向けサービスグループ長 村上 敬亮氏が紹介した。
プレミアムポイント事業は事業者から好評価
地域エコシステムの構築や横展開を
一般社団法人AiCTコンソーシアム 代表理事 海老原 城一氏は、地域の資源や可能性を引き出す都市をつくっていきたいとした。構想当初は、会津大学と連携して、地域のデータを活用した産業をつくるというのが2011年~13年頃の方向性だった。
会津若松市では、地域へのオプトイン(信託)に基づくデータ提供を起点とし、地域・市民・企業にメリットや納得感がある“三方よし”の地域社会実現を目指している。スマートシティを通じた地域DXでは、中小企業の生産性向上、儲かる産業への変革、予約・決済の手数料ゼロなど、継続的な稼ぐ力の向上のための地域産業のDX化を掲げている。
現在、AiCTコンソーシアムの会員企業は96社に拡大。IT企業にとどまらないさまざまな企業が集結していることが強みだとした。「スマートシティAiCT」に入居している企業を中心に、会津大学、地元企業と連携した産官学一体で地域DXの取り組みを推進しているそうだ。
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