肥後銀行、ブランドプリペイドカードとQRコードによる決済に対応するスマートフォンアプリ「くまモン!Pay」を5月末にリリース

2025年3月31日8:10

肥後銀行は、グループ会社の肥銀カードから、プリペイド式ICカード乗車券「くまモンのICカード」事業を承継した。また、このカードの機能に加え、より広範な決済に対応するスマートフォンアプリ「くまモン!Pay」の開発を進めており、2025年5月末にリリースの予定だ。「Bank Pay」に接続した金融機関の預金口座からチャージでき、VisaおよびiDブランドのバーチャルプリペイドカードによるタッチ決済に対応。2026年にはMPM方式のQRコード決済も可能にし、自治体や商工団体が発行するデジタル商品券の機能なども搭載する計画。肥後銀行の“色”を前面に押し出さず、公共性の高いカードとして、熊本県内におけるキャッシュレス決済の拡大に貢献していきたい考えだ。

左から肥後銀行 デジタルマーケティング部ペイメント事業推進室 室長 早田成志氏、同部ペイメント事業推進室 推進役代理 濵﨑健太氏

「くまモンのICカード」は40万枚を発行
県内のローソンでも決済・チャージが可能

肥後銀行は2024年7月、グループ会社の肥銀カードから、「くまモンのICカード」の事業を引き継いだ。

「くまモンのICカード」は、産交バスグループ、熊本電気鉄道(バス・電車)、熊本バス、熊本都市バス、市電で利用できるプリペイド式ICカード乗車券。熊本県内の3,300の加盟店で、電子マネーとして利用することも可能。2023年12月からは県内のローソンでも決済とチャージができるようになった。また、利用額に応じてポイントが付与され、貯まったポイントを電子マネーに交換して、運賃や買い物に利用できる。

「くまモンのICカード」は2024年12月時点で約40万枚が流通しており、月間アクティブユーザー数は12万人以上に上る。

一方、近年QRコード決済をはじめとするスマホ決済が急速に普及する中で、「くまモンのICカード」利用者からも「スマホで決済したい」という声が多く聞かれるようになってきた。これに応えて同行では、VisaおよびiDブランドのバーチャルプリペイドカード機能を搭載したスマートフォンアプリ「くまモン!Pay」の開発に着手。2025年5月末のリリースに向けて開発を進めている。

同行がこの開発を急ぐ理由は、もう1つある。熊本県内のバス・鉄道5社では、対応機器の更新費用の負担が重いことを主な理由として、2024年11月15日をもってSuicaなど全国交通系ICカードの利用を廃止。この代替手段としてクレジットカードのタッチ決済を導入する方向に舵を切った。しかし、諸事情によりクレジットカードを持てない、持ちたくない人も少なくない。全国で使えるバーチャルプリペイドカード機能を備えた「くまモン!Pay」は、そのような層のニーズに応えるツールでもあるのだ。

定期券、送金などの機能を随時追加
自治体と連携し、地域活性化に貢献

「くまモン!Pay」は、2025年5月末のリリース予定。日本電子決済推進機構が運営するスマホ決済サービス「Bank Pay」に接続している金融機関の預金口座からチャージができ、前述の2ブランドのバーチャルプリペイドカードのタッチ決済によって、決済が可能。

さらに2026年1月には、店頭に設置されたQRコードを利用者が読み取るMPM方式によるQRコード決済にも対応可能になる予定だ。

交通機関の定期券との連携や、送金機能、クーポンの発行など、機能は随時、追加していく。海外からの旅行者の利用を視野に入れ、多言語対応なども進めていくが、最も重視しているのは、地域に根付き、地元の事業者や住民が使いやすいサービスをつくり上げていくこと。たとえば自治体や商工団体が発行するデジタル商品券を、「くまモン!Pay」で使えるようにすることなどが想定されている。

サービス展開にあたり、肥後銀行では、同行の“色”を前面に押し出すのではなく、地域活性化のために多様なプレイヤーが垣根なく参加できるプラットフォームを提供していきたいとしている。肥後銀行 デジタルマーケティング部ペイメント事業推進室 室長 早田成志氏は、「熊本の地方経済を下支えするのは、われわれだけでできることではありません。広く自治体・地元金融機関・商工団体・商店街等と連携していく方針です」と強調する。

「くまモン!Pay」ではeKYCを必須とし、得られた情報をもとに利用者のニーズを読み取り、サービス開発・改善に活かしていく。「これにより、もともと『くまモンのICカード』が構想していたデータとマネーの地域循環を、より発展的に行っていきます」(肥後銀行 デジタルマーケティング部ペイメント事業推進室 推進役代理 濵﨑健太氏)。そして「地域のニッチなニーズを拾えるサービスをつくりたいです」(早田氏)。まさにそこに、肥後銀行が運営主体となる意味があると考えている。

なお、九州では鹿児島エリアでキャッシュレスアプリ”Payどん”のサービスが展開されているが、「くまモン!Pay」リリースに向けて同行などからさまざまなアドバイスを受けたという。

「くまモン!Pay」リリース後も「くまモンのICカード」は継続する。利用者目線、加盟店目線で、幅広いニーズに応えるサービスを提供していきたいとしている。

「決済・金融・流通サービスの強化書2025」より

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