2012年7月10日20:05
大日本印刷(DNP)は、米国のC-SAM, Inc.が提供するモバイルサービスプラットフォームを、日本国内で販売するためのライセンス契約を締結したと発表した。
DNPは、同締結により、C-SAMのソフトウェアサービスであるMTP(Mobile Transaction Platform)を活用したスマートフォン向けの「DNPモバイルWalletサービス」を日本企業に向けて展開する。DNPのグループ会社で、モバイルWalletシステムの構築とアプリ開発を行うインテリジェント ウェイブ(IWI)と連携し、サーバー管理を含めた一貫したサービスとして提供するという。
DNPモバイルWalletサービスは、スマートフォンでの決済やクーポン、ポイントなどに対応した多様なアプリの一元管理や、これらに関わる業務を総合的に支援するサービスとなる。利用者は、決済とクーポンの同時処理をはじめ、バンキング、ポイント、ヘルスケアなどの複数のサービスを連動して利用できる。また、事業者は、ポイントサービスの活用や、利用者の購買履歴に基づくクーポン情報配信などによって、売上拡大を図ることが可能だ。
具体的には、DNPのクラウドサービスと、事業者の専用サーバー構築の2種の形態で提供する。事業者の専用サーバーは、DNPのデータセンターにて構築することも可能だ。また、MTPを組み込んだシステムを自社で構築する事業者には、ライセンスの販売で対応するという。
事業者は、サービス利用開始後でも、モバイルWalletにクーポン配信や電子チケットなどの会員サービスを容易に追加できる。また、セキュリティ管理については、ICカードの署名、認証などの仕組みを活用した安全性の高いサービスを提供するという。さらに、マルチデバイス(Android OS,iOS,WindowsPhone)に対応が可能だ。
価格は、クラウドサービスの初期導入費用が2000万円からで、別途、運用費用が必要となる。DNPは同サービスを2012年9月に発売する予定で、関連事業全体で今後3年間に30億円の売上を目指す。またDNPは、欧米やアジアの企業とWalletプラットフォーム仕様を共通化することで、モバイルWalletサービスの海外ローミングを実現し、グローバルにサービスを展開する方針だ。