2013年12月17日8:51
TIプランニング ペイメントナビ編集部では、2013年12月13日、「電子マネー・NFC決済超最前線」セミナーを東京都中央区の中小企業会館で開催した。今回は、電子マネーやNFC決済サービスに関連した6社の担当者が講演した。
まず最初の講演では、「電子マネー『nanaco』の現状と今後」について、セブン・カードサービス 執行役員 電子マネー開発部担当 磯邊俊宏氏が講演。nanacoは、2013年10月末現在、会員数約2,642万人、月間利用件数は約 9,400万件を誇る。磯邊氏は、nanacoの歩みや基本戦略、導入のメリット、今後の展望などについて紹介した。
続いて、TTドコモ スマートライフビジネス本部 金融ビジネス推進部 iD担当部長 大戸 豊氏が登壇し、「『スマートライフのパートナー』に向けたドコモの電子マネー『iD』の取り組み」について説明した。ドコモは後払い式電子マネーブランドのiDは現在、日本国内で49万を超える利用箇所を擁する規模となっている。また他電子マネーに先駆けて、国際ブランドであるMasterCardと提携し、iDの利用者が簡単な設定をするだけで海外の「MasterCardPayPass」加盟店でスマートフォンをかざして決済できる「iD/PayPass」を2014年2月より展開する予定だ。セミナーでは同機能の特長や使い方、スマートフォンアプリなどについて紹介した。
休憩をはさんで、午後の最初の講演では、Ui2 ビジネス・デベロップメント本部 本部長 木下直樹氏が「モバイルNFCサービスへの普及と課題について」紹介した。同氏は、NFCのビジネスに長い間携わってきた立場から、国内でNFCを普及させるポイントなどについて解説した。また、事務局長を務める『モバイル非接触ICサービス普及協議会』の活動、ウルトラマン商店街向けスタンプラリーの取り組みについても紹介した。
木下氏の後を受け、壇上に立ったのはトランザクション・メディア・ネットワークス 代表取締役社長 大高敦氏。同氏は、昨今注目を集めるシンクライアント決済サービスについて解説した。シンクライアント型決済サービスは、大幅な端末コストの削減がはかれることに加え、他ASP サービスとのセンター間接続により、他サービスとの連動を柔軟に実現できることや、センター管理型のシステムによるセキュリティ性向上などが評価されている。すでにSuica等の交通系、楽天Edy、iD、QUICPay、WAONといった実装が完了し、今後はTypeA/Bベースの決済への対応も予定しているそうだ。
続いて、三井住友カード 商品企画開発部 IT開発室長 大塚英雄氏が登壇。三井住友カードでは、NFC(TypeA/B方式)を搭載した「おサイフケータイ」対応スマートフォン向けの非接触IC決済サービス「Visa payWave」の発行を開始する予定だ。大塚氏は、スマホの普及と環境の変化、国際ブランド準拠の非接触決済サービス、モバイル非接触ICサービス普及協議会(クレジットワーキンググループ)の検討内容、Visa payWaveの推進などについて講演した。
最後の講演では、楽天Edy 執行役員 最高戦略責任者 業務企画部 部長 宮沢和正氏が、電子マネーの草分け的存在である「楽天Edy」の展開について説明した。同氏は、楽天Edyの成長戦略として、「チャージ・ハードルの低減」、「楽天とのシナジー強化」、「新技術、トレンドの取り込み」といった施策を説明した。
当日は、1日にわたるセミナーとなったが、会場には数多くの聴講者が訪れ、講師の話に熱心に耳を傾けていた。ペイメントナビ編集部では、2014年以降も決済やカードサービスに関連したセミナーを開催する。1月27日には「電子決済の注目トレンド」セミナー、2月19日には「成長するインターネット決済の最新トレンド」セミナー、3月には加盟店・サービスプロバイダ対象の「ペイメントカード・セキュリティフォーラム」の開催を予定している。
※当日はPCの動画再生不具合など、聴講者の方々にはご迷惑をおかけする部分もあり申し訳ございませんでした。
※2013年開催のセミナーでは毎回多くの方にご来場いただきありがとうございました。この場を借りてお礼申し上げます。