2014年5月16日9:00
ロシアに対する経済制裁で、カード取引を停止したVisaやMasterCardなどの国際ブランドに対し、プーチン大統領は厳しい措置をとることになった。
一方的にロシア人へのサービスを停止した国際ブランドに対し、制約をかける法律の制定書類に署名したのである。
新法は2点を必須要件としている。ひとつは、データセンターをロシアにおくこと。もうひとつは、ロシアで処理される2日分のカード利用額と等価の保証金を支払うことである。
VisaとMasterCardはロシアのカード決済の約90%を占めている。2013年には、両ブランドの1日の処理金額は19億ドル(2,000億円弱)だった。つまり、約4,000億円をロシア中央銀行に保証金を積まなくてはならない。
ロシアでは、国際ブランドに対抗し、独自決済ネットワークを構築すると発表。ただし、最短で6カ月、最長で2年はかかるという。はたして本気で独自ネットワークに投資するのか。それとも、国際ブランドに頼るのか。
MasterCardによると、ロシアの収益は全体の2%未満。国際ブランドにとっては、それほど大きな影響はなさそうだ。
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※本記事は日本カードビジネス研究会代表 佐藤元則氏の「カードBizと僕の勝手気ままログ」をご紹介しています。