2014年9月19日 8:00
楽天の共通ポイント「Rポイントカード」がスタート
いよいよ始まる共通ポイント三国志
株式会社ポイ探 代表取締役 菊地崇仁
で書いたが、いよいよTポイント vs Pontaポイント vs 楽天スーパーポイントの全面対決が開始する。
まずは、それぞれの共通ポイントとしてのサービス内容を比較したい。
Tカード | Pontaカード | Rポイントカード | |
---|---|---|---|
ポイント名 | Tポイント | Pontaポイント | 楽天スーパーポイント |
ポイント付与率 | 100円から200円につき1ポイント | ||
1ポイントの価値 | 1円 | ||
加盟店数※1 | 7万4793店舗 | 約2万3400店舗 | 1万3400店舗 |
加入者数※2 | 4918万人 | 6466万人 | ─ |
※1 2014年3月末時点、※2 2014年6月末時点
どの共通ポイントも、加盟店で”提示すると”ポイントを獲得することができる。ポイント付与率も100円から200円につき1ポイント、1ポイントは1円として利用できるなどサービスは横並びだ。
ただし、加盟店数を比較すると、Tカードが圧倒していると言えるだろう。この状況の中、後発のRポイントカードに勝算はあるのだろうか? Tカード、Pontaカードとの機能面での違いを解説しよう。
個人情報を登録するまでポイントは使えない
Rポイントカードは加盟店ですぐに手に入れる事ができる。台紙に貼られているRポイントカードを剥がし、レジで提示すればすぐにポイントを貯める事ができるのだ。名前や住所等を書く必要はない。
簡単にポイントを貯めはじめる事ができるこの仕組は、Pontaカードと同じとなる。TカードとPontaカードの加入者数を確認すると、後発のPontaカードの方が加入者が多いことがわかるだろう。これはTカードよりも遅く開始したPontaが考えた加入者を一気に増やすための仕掛けだ。RポイントカードはPontaの良い所を取り入れた形となる。
ただし、このままでは個人情報のないポイントカードとなり、マーケティングに利用できない情報となってしまう。そこで、Pontaが考えたのは、ポイントの利用をできなくするという方法だ。つまり、貯めたポイントを使いたければ、名前や住所を登録して下さい、と言う事だ。せっかく貯めたポイントは利用したいため、結局利用者は個人情報を登録することになる。
Rポイントカードも同様、台紙から外したRポイントカードを提示すると、直ぐにポイントは貯められるが、何もしなければポイントは利用できなく、6ヶ月で失効してしまう。貯めたポイントを利用し、ポイント失効を防ぐには、楽天IDとRポイントカード番号を紐付ける必要がある。楽天IDにRポイントカード番号を登録する事で、はじめてリアル加盟店でも楽天スーパーポイントを利用できるポイントカードになるのだ。
Tカード、Pontaカードにない、新しい機能を追加
Rポイントカードは2社の良い所を取り入れるだけでなく、便利な機能も追加した。
ポイントカードを忘れた - こんな苦い経験がある人も多いだろう。筆者も財布を持たずにおサイフケータイとメインカード、1000円札1枚だけで出かけることもあるが、そんな時に限って「三井のリパーク」に駐車することがある。結局、Tポイントも貯められず、現金払い(クレジットカード払いできる所が少ない)となってしまう。
Tカードは基本的に1人1枚までとなっている。もし予備のTカードを車の中に入れておいたとしても、複数枚のポイントは統合することはできない。利用率の低い車専用Tカードはポイントも貯まらず、失効してしまうだろう。
また、Pontaカードも1人1枚が原則だが、複数枚保有している場合はPontaに電話する事でポイントを合算する事が可能だ。その場合は、1枚のPontaカード番号にポイントを集約し、もう1枚のPontaカードを廃棄するという手続きとなる。
Rポイントカードは、この1人1枚制限を撤廃した。楽天ID 1つにつき3枚まで登録可能としたのだ。車専用Rポイントカード、財布に入れるRポイントカード、よく使うバッグに入れるRポイントカードと言う具合に、複数枚のRポイントカードで同じ楽天スーパーポイントを貯め、利用できるようになっている。
さらに、Rポイントカードには一時停止機能が設けられている。家の中にはあるはずなのに見当たらないというような場合、Rポイントカードを一時停止することができる。もし、見つかったら再度有効にすれば元通り利用することが可能だ。完全に紛失した場合は、楽天IDから削除すれば良い。
この一時停止機能は非常に便利な機能だ。一時停止だが、停止されるのはポイントを使う機能のみ。つまり、一時停止中でも提示をするとポイントを貯めることができるということだ。
車専用Rポイントカードや、よく使うバッグに入れるRポイントカードなどのサブカードは、常に一時停止しておけば良い。ポイントカードを忘れた場合でも、予備のRポイントカードでポイントを貯めることができる。この機能のお陰で、もし、Rポイントカードを紛失したとしても、ポイントを使われることはない。
サブのRポイントカードでポイントを使いたい場合は、スマートフォンで楽天のサイトにログインし、有効化手続きを行うだけで、直ぐにポイントを利用することが可能だ。
後発だからこそ、使い勝手がよく、かつ、安心して利用できる機能が盛り込まている「Rポイントカード」は先行するTカード、Pontaカードにとって脅威となる。
また、楽天カード、楽天Edyの加盟店開拓チームと連携し、一気に加盟店が増えていくものと思われる。消費者は楽天カード、楽天Edy、楽天チェック、さらにRポイントカードを使いこなすと、リアル加盟店でも面白いように楽天スーパーポイントを貯めることができるようになる。今後、ネットでもリアルでも楽天スーパーポイントは最も注目すべきポイントプログラムとなるだろう。
菊地 崇仁(きくち たかひと)
1998年に法政大学工学部を卒業後、同年日本電信電話株式会社(現NTT東日本)に入社。社内システムの開発、Lモードの料金システム開発、フレッツ網の機器検証等に携わり2002年に退社。同年、友人と共に起業し、システムの設計・開発・運用を行う。2006年、ポイント交換案内サービス・ポイ探の開発に携わり、2011年3月代表取締役に就任。ポイント探検倶楽部に掲載されているポイントは約230種類。ポイントやマイルを中立の立場で語れる数少ない専門家として知られる。
三児の父であり家計のやりくりをすべて担当。ポイントのみならず、クレジットカードや保険なども守備範囲で、近年は投資にも挑戦している。著書は「新かんたんポイント&カード生活(自由国民社)」、「得するポイント(カード)の貯め方・使い方(日本監督協会)」。運営サイトは「ポイント探検倶楽部(ポイ探)」、「株式会社ポイ探」、「菊地崇仁オフィシャルホームページ」等。
2014年10月1日(水)にいよいよ楽天の共通ポイント「Rポイントカード」が開始する。2014年9月10日(水)からは加盟店のサークルKサンクス、ポプラでRポイントカードを先行配布(サークルKサンクスでは無料、ポプラでは100円で購入するが、100円のお買い物券が付いてくるため実質無料)。9月20日(土)からは出光サービスステーションでも配布される。