2014年10月2日0:42
楽天がリアルでの共通ポイントサービス「Rポイントカード」を開始
1万2,600以上の実店舗で楽天スーパーポイントを貯めることが可能に
楽天は、2014年10月1日、「楽天スーパーポイント」の共通ポイントサービス「Rポイントカード」を開始した。9,400万人の楽天会員がリアルの提携社、1万2,600以上の実店舗で楽天スーパーポイントを貯めることが可能となる。
「楽天市場を始めた時と同じような興奮」
リアルの1万2,600以上でポイントが貯まる
「新しい電子マネーが出現した時のようなインパクトがある」「楽天市場を始めた時と同じような興奮を覚えている」 実店舗での共通ポイントとしては後発ながら、楽天代表取締役会長兼社長三木谷 浩史氏は、Rポイントカードサービス成功への自信をみなぎらせた。Rポイントカードは、10月1日0時にサービスがスタートしたが、同日13時の会見を迎えるまでの約13時間で「想定を上回る取引量となっています」と話す。
サービス開始時点では、以下の提携社で利用が可能だ。
(1)出光興産「出光サービスステーション」(3,100店) (2)J.フロント リテイリング「大丸」(14店)「松坂屋」(5店) (3)サークルKサンクス「サークルK」(3,498店)「サンクス」(2,823店) (4)ポプラ「ポプラ」(513店)「生活彩家」(106店)「スリーエイト」(7店)「くらしハウス」(14店) (5)プラザクリエイト「パレットプラザ」(351店)「55ステーション」(219店)「スタジオパレット」(10店) (6)ダスキン「ミスタードーナツ」(1,313店) (7)プロントコーポレーション「プロント」(202店)「カフェソラーレ」他(58店) (8)ジンコーポレーション「ミュゼプラチナム」(国内181店) (9)モバイル・コマース・ソリューション「得タク」 (10)日本通運「引越しは日通」 (11)引越社「アリさんマークの引越社」 (12)釧路ポイントカード事業協同組合「和商市場」等(200店)
※サービス開始時は利用できない一部店舗あり。順次対応予定
提携社を代表し挨拶した大丸松坂屋百貨店 代表取締役社長 好本達也氏は、「今まで楽天のようなインターネットを展開する企業と、弊社のようなリアルの店舗はライバルと見られていたが、インターネットを活用して顧客を獲得したり、楽天スーパーポイントを媒介にしながら顧客とコンタクトを取るのは必然となっている」とRポイントカードへの参画について説明した。
会員証バーコード表示機能が付いた無料アプリも提供
来春をめどに提携社はさらに拡大予定
カードは、サークルK・サンクス、ポプラ、出光サービスステーション、ミスタードーナツなどで配布もしくは購入できる。また、Rポイントカードの会員証バーコード表示機能が付いたAndroid向けの無料アプリも提供開始した(iOSにも対応予定)。利用者は、スマートフォンにバーコードを表示させることにより、Rポイントカードの利用が可能になる。楽天 ポイントパートナー事業の担当者は、「楽天はスマートフォンのユーザーが多いのでアプリは武器になると感じています」と口にする。楽天会員は、Rポイントカードを取得・登録することで、楽天グループサービス利用で貯めた「楽天スーパーポイント」を全国1万2,600以上の実店舗でも利用できるようになる。
楽天スーパーポイントは、「楽天市場」など楽天グループの売上1%を1円として蓄積した上で、1ポイントを1円として利用できる。Rポイントカードのポイントについても基本的に楽天スーパーポイントのポイントの仕組みを踏襲。貯まるポイントは、基本的に100円(税抜)の買い物につき1ポイント(店舗によって200円につき1ポイントなどを採用するケースもある)。Rポイントカードで貯めたポイントは、「1ポイント=1円」として、提携店舗に加え、1億7,000点以上の商品が揃う「楽天市場」など、ほかの楽天グループサービスでも利用可能だ。
一部の加盟企業の店舗では、「楽天カード」「楽天Edy」による決済との併用により、「楽天スーパーポイント」を重複して獲得できる。例えば、Rポイントカードを提示し、決済手段が楽天カードの場合は100円につき1ポイント、楽天Edyの場合は200円につき1ポイントが還元される。なお、楽天グループでは、楽天EdyとRポイントカードを一体化させた「Edy-Rポイントカード」も提供している。
サービス開始時点から、1万2,600以上の店舗で利用が可能となったが、同サービスに「加入しない理由がない」と三木谷氏は自信を見せる。実際、「来春をめどに提携社はさらに拡大予定である」と、楽天 ポイントパートナー事業の担当者は話す。
一業種一社などの制約は設けない 提携社の意志により他のポイントプログラムとの併用も可能に
他の共通ポイントプログラムの場合、大手のナショナルチェーンは一業種一社が基本となっていたが、特に縛りを設けるつもりはなく、提携社のスタンスに委ねるという。また、自社のポイントプログラムや競合の共通ポイントとの併用も可能となっている。すでに、提携社の「得タク」では他のポイントプログラムも含め、貯めるポイントを選択可能だ。また、提携社が楽天に支払う手数料についても、競争力のある価格で提供しているそうだ。
そして、何よりも9,400万人の楽天会員を送客できるメリットは大きい。また、楽天グループが持つ、各種メディアでの告知による露出・送客効果が期待できる。
三木谷氏は、「単純にポイントが貯まるだけではなくデータを使いながら意味のある提案を行ったり、マーケティング戦略により利便性を上げていきたい」と意気込みを見せる。ただ、データの活用については、プライバシーの問題もあるため、「慎重に取り組んでいきたい」としている。 販促としては、「POSレジから出力したPOSクーポンも行う予定ですが、アプリのプッシュ配信なども含めて検討している」(楽天 ポイントパートナー事業)そうだ。 提携社のシステム投資についても、既存の磁気カード、バーコードの仕組みを利用するため、「新たなハードウェアなど、投資額を抑えることができるメリットもある」(楽天 ポイントパートナー事業)。 楽天自身のシステム投資としては、インターネットで構築したポイントの仕組みやノウハウを流用できた部分もあるため、安価に抑えることができたそうだ。
まずは、大手企業を中心に提携社を拡大していくというが、今後は中小や個店等に対してのサービス提供も視野に入れる。据置端末としては、ネットアライブ(Castles technology製)が提供する端末を利用してタマホーム来場でポイントを付与するサービスを行った実績があるが、来春には、簡易端末を利用した個人店向けのRポイントカードサービスの提供も予定しているそうだ。