2014年10月31日8:38
日立製作所では、NFC(Near Field Communication)に対応したスマートフォンなどのモバイルデバイス向け新サービスの導入を支援する「日立モバイルNFCサービス」を開発し、2015年2月から提供を開始する。
同サービスは、NFCを活用したシステムを用意に導入できるシステムとなる。スマートフォン内のUICC(Universal Integrated Circuit Card)などのセキュア領域に、インターネット経由で本人認証情報や電子マネー情報などのID情報を追加し、主にクラウドサービスとしてシステムを提供する。
日立製作所によると、セキュリティを担保できるUICCを中心にサービスを提供するが、アプリケーションによってはHCEなどの提供も考えているそうだ。また、主にクラウドサービスとして提供するため、短期間でシステムを導入することが可能だ。
具体的なアプリケーションは、電子マネーやポイントサービス、認証サービス等を想定。現状、クレジットカードについては、考えていないという。
「Hitachi Innovation Forum2014」では、シャープの協力を得て、NFCと連携したマルチコピー機向けコンテンツサービスのデモを実施。利用者がスマートフォンでコンテンツ番号を検索すると、選択したコンテンツはマルチコピー機プリントサービスに送られ、印刷番号がスマートフォンのセキュアな領域に格納される。利用者は、コンビニなどに設置されたマルチコピー機にスマートフォンをかざすだけで、選択したコンテンツを印刷できる。
日立製作所によると、NFCに対応したスマートフォンの機種は増えており、AppleもNFCを採用したことから、今後の市場の成長が期待できるという。すでに複数の引き合いも寄せられているそうだ。
また、カード会社のジェーシービーで行われている指静脈情報を用いた生体技術により、安全な決済が可能になるサービスのデモを実施。利用者本人だけが持つ生体情報により、電子署名を行うことにより、クレジットカードなどのなりすましを防止するという。また、指をかざすだけで署名ができるため、パスワードの入力も不要だ。