2015年3月4日23:06
Visa Inc.、Pizza HutおよびAccentureの3社はスペイン現地時間の2015年3月2日、車での移動中にモバイルやオンラインによる商品購入が可能なコネクテッドカーの実証試験に共同で取り組んでいることを発表した。コネクテッドカーにはVisaのオンライン決済サービス「Visa Checkout」やセルラー接続、Bluetooth Low Energy(BLE)技術のほか、注文客が商品の受け取りに来たことをスタッフに知らせるためにPizza Hutの店舗に導入されているビーコン(信号)技術も搭載される予定で、これらすべての技術のインテグレーションをAccentureが担当する。コネクテッドカーによる商品購入実験は今春から3カ月間に渡って、北カリフォルニア地域でパートナー各社によって行われる予定だ。
Visaが主導して進めるコネクテッドカーの概念は、車で移動することの多い忙しい消費者を念頭に、最先端の決済セキュリティとセルラーやワイヤレス技術を組み合わせて、コネクテッドカーでの決済体験を検証するものであるという。今回実施するコネクテッドカーを使用した商品購入のデモンストレーションは、この種のものとしては業界初となるそうだ。当面は対象をファーストフード店での注文に限定しているものの、この技術は他にも応用でき、ガソリンの購入のほか、公共交通機関や駐車場の利用、あるいはドライブスルー型店舗での買い物など、日常生活のさまざまな場面で消費者の商品購入に活用可能だ。
具体的には、端末を数回クリックするだけで支払いが行えるVisaのオンライン決済サービス「Visa Checkout」をコネクテッドカーのダッシュボードに内蔵し、消費者は車の中から食べ物を注文できる。車内からの注文が簡単かつ安全に行えるよう自動音声応答装置(IVR)を使用し、運転中であってもハンドルから両手を離すことなく、しっかりと道路前方に注意を向けたままメニューの注文や認証が行えるそうだ。
世界最大のピザチェーンであるPizza Hutは、オンラインでの受注量でも世界最大規模を誇っており、すでに注文サイトの「pizzahut.com」に簡単に支払いが行える「Visa Checkout 」を統合している。今回のコネクテッドカーの実証試験の一環として、Pizza Hutでは車の中からメニューにアクセスし、デリバリーや店頭での受け取りを選択できるサービスを提供するほか、注文客の車の到着を店内のスタッフに知らせる「ビーコン技術」の試験も行う予定だ。
Accenture はアプリケーション開発に加え、車の中で安全でシームレスな商品購入を行うための技術基盤を構築するために複数の技術を統合する上で、中核的な役割を果たしている。統合される技術には、車載用ヘッドユニット、セルラーネットワーク、Visaの決済技術、Pizza Hutのeコマースプラットフォーム、ビーコン、Bluetoothテクノロジーなどが含まれる。