タブレット活用のPOSシステム「Powa POS」を国内で展開へ

2015年6月1日7:00タブレット活用のPOSシステム「Powa POS」を国内で展開へスマートフォン決済サービス「Powa Tag」の導入もグローバルで加速

ロンドンで設立されたPOWA Technology(パワ テクノロジー)は、欧米など世界各国でビジネスを展開している。2015年は、POWA社が提供する「Powa POS」が国内で展開される予定だ。Powa POSは、スマートデバイスと連携し、実店舗での決済業務で活用できるオールインワンのPOSシステムとなっている。また、2014年には、スマートフォン決済「ZNAP(ズナップ)」を提供していたMPayMe Limitedを吸収合併し、スマートフォン決済サービス「Powa Tag」をさらに強化している。POWA Technology プロダクト&マーケティング エグゼクティブ・バイス・プレジデント Paul Rasori氏に、Powa POSやPowa Tagなど、同社サービスの強みについて説明してもらった。

デザインに特徴のあるオールインワンのPOSシステムを提供
AndroidやiOS、Windows等、主要なOSで利用可能

Powa Technologies Group PLCはすでに、POS事業、スマートフォン関連事業、ECサイトの構築を展開している。具体的には、オールインワンのPOSシステム「Powa POS」、スマートフォンを活用したショッピングサービス「Powa Tag」、ECサイト構築サービス「Powa Web」を展開している。

オールインワンのPOSシステム「Powa POS」
オールインワンのPOSシステム「Powa POS」

タブレットPOSアプリケーションは、これまでのPOSレジシステムに比べ、安価に豊富な機能を実現できることから、世界的に小規模店舗から大企業まで様々な企業、用途での活用が急速に進んでいる。一方、これまでタブレットPOSアプリケーションを導入する際には、本体とは別に周辺機器(プリンタやバーコードリーダ等)を別途購入する必要があり、また、これら周辺機器との配線の問題などから美観を損ね、利便性の低下を招いていた。

PowaPOSは、これらの課題を解決し、タブレット端末本体、及び周辺機器をコンパクト、スタイリッシュに統合する画期的なソリューションであり、店舗で必要な機能の多くを揃えることができる製品となっており、同社ではデザイン性に自信を持っているそうだ。世界には、タブレットと連携したモバイルPOSソリューションを展開する企業は多数あるが、差別化のポイントとしてPaul Rasori氏は、飲食や販売など、多くの業種で、モバイルを利用したペイメントが可能なこと、タブレットPOSのアプリのAndroidやiOS、Windows等、主要なOSで利用可能な点をメリットに挙げる。

「Powa POSは、一台でいろいろなサービスが展開できるのが特徴です。たとえば、バーコードスキャナは、筐体に設置しても、取り外しても利用可能です。また、店舗では回転ができるため、レジ店員が操作する際にくるっとまわしてお客様にタブレットにサインをしてもらうこともできます。センサーが付いているので、たとえば、お客様に端末を向けた際に自動的に画面のデザインを変化させることもできます」(Paul Rasori氏)

バーコードスキャナを筐体に取り付けることも可能
バーコードスキャナを筐体に取り付けることも可能

Verifone等の決済端末を筐体に設置可能
世界最小クラスのmPOS「Powa PIN」も提供

Powa POSにはUSBポートもついており、決済端末やキャッシュドロア、プリンタなども設置することが可能だ。決済端末については、Money20/20やCards&Payments Asiaといった主要展示会では、ベリフォン(Verifone)製の端末との連携のデモが行われていた。具体的には、タブレットの裏側に決済端末を設置している。

Verifonの決済端末を設置したPowa POSのイメージ
Verifoneの決済端末を設置したPowa POSのイメージ

また、POWA社ではマグストライプ、EMVの接触IC決済に対応した、世界最小クラスのモバイルPOS「Powa PIN」も提供。Powa PINは、BluetoothでPowa POSと接続。Powa POSサーバーでは、Powa PINの情報をリモートに管理可能だ。セキュリティ面では、EMVレベル1/2やPCI PTSの認証も取得している。すでに日本でも大手GMSで採用予定であるという。

POWA Technology プロダクト&マーケティング エグゼクティブ・バイス・プレジデント Paul Rasori氏
POWA Technology プロダクト&マーケティング エグゼクティブ・バイス・プレジデント Paul Rasori氏

Powa POSは、2014年夏にプロトタイプが発表され、同11月にローンチ。アジア、オセアニア、北米、南米、ヨーロッパ、アフリカなど、全世界で導入が進んでいるそうだ。現状、米国が一番大きいマーケットだが、アジアも有望な市場となっている。さらに、南アフリカでの反響が想像以上に多いという。Paul Rasori氏は、「価格については、販売する市場によって変動します。日本は成熟した市場なので期待しています」と話す。

「Powa Tag」は世界1,200ブランドで導入
「Powa POS」は国内でもローンチ

POWA社では、オムニチャネルの展開も強化している。Powa Tagは、スマートフォンで簡単に買い物や支払いができるソリューションとなる。店頭販売での販売、電子カタログショッピング、請求書、動画などから、QRコード等を利用して簡単に支払いが可能だ。また、クーポンやロイヤリティプログラムも提供できる。Powa Tagは世界1,200ブランドで導入が進んでおり、「現在は、ビジネスとして追い風となっており、大手ではLoreal(ロレアル)での採用が決定しています」とPaul Rasori氏は説明する。

大手化粧品メーカーのロレアルでも採用
大手化粧品メーカーのロレアルでも採用

そのほか、SaaS型のオンラインEコマースプラットフォームであるPowa Webの展開も強化しており、「3つのサービスを提供することで、全体が統合できます。利用者のニーズに応じて、提供する製品を選別できるようにしています」とPaul Rasori氏は笑顔を見せる。

POWA Tagは音声認識も可能
POWA Tagは音声認識も可能

なお、日本ではビリングシステムがPowa Technologies PLCの販売代理店となっている。すでにPowa Tagは導入実績も築いており、Powa POSも同社を通じて販売される予定だ。

※取材はシンガポールで4月22日、23日に開催された「Cards & Payments Asia」のPOWA社のブースにて

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