2015年10月15日13:00
PCI SSCは、アジア太平洋地域の決済事業関係者を対象としたキャッシュレス決済に関する年次カンファレンス「第四回 PCIアジア太平洋コミュニティミーティング」を、2015年10月14日~15日の2日間、ウェスティンホテル東京で開催した。日本での開催は初となる。
PCI SSCは、2006年に設立された国際ブランドが搭載されたペイメントカードのデータセキュリティ基準の普及促進活動を推進している標準化団体となる。JCB、Visa、MasterCard、American Express、Discoverの国際ブランド5社が設立。ペイメントカードの「PCI DSS」、ペイメントアプリケーションの「PA-DSS」、PIN入力の「PCI PTS」など、各セキュリティ基準を運営している。
同コミュニティミーティングでは、各国のビジネスリーダーや政府関係者を招き、東京五輪を控えた日本において、決済セキュリティのグローバルな知見についてさまざまな企業・団体から紹介された。関係者に話を聞いたところ海外からの出席者のほうが多かったそうだ。
14日は、PCI SSC インターナショナルディレクター ジェレミー・キング(Jeremy King)氏がPCI SSCの取り組みを解説。また、PCI SSC CTO トロイ・リーチ(Troy Leach)氏が、PCI SSCが取り組む技術的な課題について紹介した。
国内からは、経済産業省 商務情報政策局 坂本理和氏がEMV IC化やインターネットの加盟店における情報漏洩対策、クレジット取引セキュリティ対策協議会の設立など、国内におけるセキュリティ強化の施策について紹介した。
15日には、楽天 Senior TPM Marat Vyshegorodtsev氏(マラット ヴィシェゴロデツェフ)がグローバルにeコマースを提供する同社のセキュリティ対策について講演した。
また、会場には国内外の企業がソリューション・サービスをPRするブースも設けられた。
なお、2015年10月18日と19日には、ペイメントアプリケーション基準「PA-DSS」の審査を行う「PA-QSA」のトレーニング、20日と21日には、ペイメントカードの国際セキュリティ基準「PCI DSS」の審査を行う「Qualified Security Assessor(QSA)」のトレーニングも行われるという。
ジェレミー・キング氏は、「皆さんから意見をいただくことで、さらに基準を高めていくことにつながる」とコミュニティミーティングの重要性を講演の中で語った。