2016年3月30日8:42
2016年3月29日から中国でもサービスを開始したSamsungの「Samsung Pay」。すでに韓国と米国でスタートしているが、中国では銀聯と提携し、工商銀行、建設銀行、中信銀行など主要9銀行のクレジットカードとデビットカードをサポートしており、さらに北京銀行など6つの銀行が追加される予定だ。Samsung Payの韓国と米国の状況について、Samsungの担当者に話を聞いた。
NFCとMSTの決済双方に対応
韓国では9割以上がMSTによる支払い
Samsungでは、韓国で2015年8月20日から、アメリカでは9月28日から「Samsung Pay」のサービスを行っている。Samsung Payは、「Galaxy S7 edge」、「Galaxy S7」、「Galaxy S6 edge+」、「Galaxy Note5」等に対応。Samsung Electronics Jenn Song氏によると、「Samsung Payは、簡単、シンプル、安全で、どんな方でも扱えるようになっています」とのこと。
登録された複数のクレジットカードの中から自身が利用するカードを簡単に選ぶことができる。また、セキュリティの高いモバイル決済サービスを提供するためにトークン化の技術を採用している。
「Apple Pay」など、他のNFCモバイルペイメントと異なる特徴として、 NFC と 「Magnetic Secure Transmission(MST)」の双方をサポートしている点が挙げられる。MSTは、無線電波でカード番号情報を読み取り機に転送することが可能となり、非接触IC決済が利用できない加盟店でのサービスにも対応している。MSTはSamsungが買収したLoop Payが提供する技術となっている。
米国では非接触が利用できる端末が増加しているが、利用できない店舗も多い。同様に韓国でも一部のコンビニエンスストアやコーヒーチェーンなど、利用できる店舗が限られる。そのため、MSTに対応していることは大きな意味があるそうだ。実際、韓国のSamsung Payの利用を見ても9割以上がMSTとなり、磁気は1割弱となっている。
また、ギフトカード、メンバーシップカード、クーポンとしての利用もスタートしているが、その展開においてもMSTが提供できることはプラスになっている。
利用者は韓国と米国で500万人を超える
アジアではオーストラリアとシンガポールでもサービスを展開へ
2016年2月には、韓国と米国で500万人の利用を達成した。中国では3カ国目の展開となるが、今後はオーストラリア、シンガポール、ブラジル、スペイン、英国での展開を予定しているそうだ。なお、日本での展開については「プランはあるが、公にできない」としている。
※取材は2016年2月22日~25日までスペイン・バルセロナで開催された「モバイル・ワールド・コングレス2016」にて