2016年6月1日10:43
フランスのOberthur Technologies(OT)は、動的暗号ソリューションであるMOTION CODE(モーション・コード)技術を提供している。同社では、2016年5月31日、6月1日にドバイで開催されている「Cards & Payments Middle East」において、中東でも有数の決済ソリューションプロバイダーであるNetwork Internationalと協力して同技術の普及に取り組むと発表した。
カードのセキュリティコードを定期的に変更
動的な番号でCNPの不正被害を抑制
OTはデジタルセキュリティソリューションを提供する世界的な企業の1つである。同社では、2014年にディスプレイカードをグローバルに提供するNagraID Security(ナグラIDセキュリティー)を買収。OTのMOTION CODEソリューションでは、カードの裏面に表示された3桁の静的なセキュリティコードを、ミニスクリーンに表示された動的な番号に置き換えることが可能だ(4桁の対応も可能)。また、スクリーンの番号は定期的に変更される。
昨今、カードを提示しないCNP(Card Not Present)での不正利用が増加しているが、セキュリティコードを可変させることにより、オンライン取引での不正(番号盗用)から保護することが可能だ。銀行(イシュア)は通常通りにカードを発行するだけで、CNPの不正被害を抑えることができるという。
中東でも屈指の決済ソリューションプロバイダー
MEA地域での普及の加速に期待
一方、Network Internationalは中東でも有数の決済ソリューションプロバイダーである。本社をドバイに置き、UAE、エジプト、インドにもセンターを構えている。クレジットカード、デビットカード、プリペイドカードの決済処理、ATM管理、加盟店の決済処理、不正管理、EC決済サービスやモバイルソリューションを提供している。今回のパートナーシップ締結により、MOTION CODEソリューションが同社の不正管理ソリューションに追加された。
OTでは、Network Internationalと協力することで、MEA地域(中東やアフリカ地域)でのMotion Codeの採用を加速させることができると期待している。
サービスの進化にも取り組む
BNPパリバやBPCAグループで採用
Oberthur Technologies Middle East and Africa Financial Service Institutions Ali AKBAR氏は、「Network InternationalはUAE最大のプロセッサーであり、70の銀行とやり取りしているので、今回のパートナーシップはプラスに働きます」と語る。
競合の製品もセキュリティコードを可変するソリューションを提供しているが、同ソリューションのパイオニアとして年々、サービスは進化しており、リードしているという自負があるそうだ。また、競合との競争も厳しくなっていることから、コストダウンにも取り組んでいるという。
なお、MOTION CODEは、フランスのBNP PARIBAS(BNPパリバ)、BPCEグループ(バンク・ポピュレールとケス・デパーニュ)で採用されている。