2016年11月14日17:13
フライトシステムコンサルティング(フライト)は、 このほど電子決済事業における研究開発から生まれた以下の2つの技術につき、 特許権を取得したと発表した。
フライトでは、 2009年より国内初のiPhoneやiPadをクレジットカード決済端末にする電子決済ソリューションの開発に着手し、2010年9月に大企業向けソリューション「ペイメント・マイスター」の販売を開始した。2016年3月には1台でさまざまなカードの読取が可能なマルチ決済装置「Incredist Premium(インクレディスト・プレミアム)」の発売を開始している。
今回、取得した特許は、まず「複数暗号鍵の切替に関する特許」となる。従来の決済装置では、暗号鍵は1つ、接続する決済センターは1社のみという構成が主流で、 決済装置と決済センターは対になっていたという。しかし近年、新たな決済手段としてApple Pay/AlipayWeChatPayなどが誕生しており、決済手段が多様化している。各決済では仕組みが異なるため、1つの決済センターにすべての決済手段を集約することは困難な状況だったそうだ。つまり、各決済に対応した別々の決済センターへの接続が必須になる。しかし決済センターごとに決済装置を分ける従来の方法では、レジ周辺スペースで複数の決済端末が必要となるため運用が煩雑となる課題があった
市場の決済ニーズに合わせ、 複数の決済センターへの接続を、1台の決済装置で実現するためには、決済センターごとの暗号鍵の切替を決済装置内で行う必要があり、同特許によりその機能を実現した。
また、「無線を使った複数機器の設定に関する特許」については、iPhoneやiPadなどに代表されるスマートデバイスでは、Wi-FiやBluetoothなどの無線技術が多く搭載されている。それら無線技術を使い、決済装置などの外部機器に接続する際、無線という特性上、接続状態を可視化することが困難だった。特に大企業において大量に決済装置を導入する場合、iPad等と決済装置を素早く確実に設定するために、接続を瞬時に把握できることは重要と考えられる。
フライトのマルチ決済装置「Incredist Premium」ではiPad等とBluetoothを使いペアリングを実施するため、同技術をすでに使用している。また同特許は、今後フライトの決済ソリューションだけに限らず、無線技術を使った機器同士の接続が必要な市場でも活用されるであろうと考えているそうだ。