2017年2月13日9:30
六区ブロードウェイ商店街振興組合と、奥山おまいりまち商店街振興組合は、訪日外国人旅行者対応の環境整備を目的とする「浅草おもてなしプロジェクト」を実施する。第一弾として、「浅草おもてなしプロジェクト」モニターツアーを、現在実施中の国家戦略特区事業認定を目指した社会実験「浅草六区オープンカフェ」第3期の最終週にあたる2月10日と11日に行った。同プロジェクトでは、経済産業省のIoT推進のための新ビジネス創出基盤整備事業 (IoT活用おもてなし実証事業)として、指紋認証決済サービス「Touch&Pay」を利用したパスポートおよび指紋登録サービスが行われており、訪日外国人観光客は事前登録した指紋認証で買い物、一括免税が可能だ。
Liquid Payによる「Touch&Pay」サービスを提供
船上では人力車や移動型エンタメバス体験の事前予約も可能
「浅草おもてなしプロジェクト」は、“興行街”として再生を進める浅草六区と江戸時代中期から明治中期まで見世物小屋や大道芸などで賑わいをみせていた浅草奥山の協力を得て、エンターテインメント分野を中心に、「通信」「通貨」「言語」「認証」「体験プログラム」をテーマにした、訪日外国人旅行者のために整備された環境を体験してもらうために実施された。
訪日外国人旅行者に対し、羽田空港から浅草六区までの新たな動線として舟運を提案。ジェットセイラーでの移動中は、音楽などのエンターテインメントを楽しむことができる。また、船上では、「Touch&Pay」を利用したパスポートや指紋(親指と人差し指)登録サービスを提供。訪日外国人観光客は事前に登録した指紋により、浅草に到着後、奥山おまいりまち商店街、ロックブロードウェイ商店街のパンダバスキッチンカー、まるごとにっぽんにおいて、指紋認証決済が可能だ。
経済産業省のIoT活用おもてなし実証事業では、関東、関西、九州で実証事業が行われているが、湯河原・箱根・鎌倉といった関東実証ではLiquidの「Liquid Pay」のサービスが活用されている。浅草でもLiquid Payによる「Touch&Pay」サービスが利用可能だ。
船上で、利用規約に同意した外国人観光客は、まずパスポートリーダーでパスポート情報をスキャンして登録する。次に右手の親指と人差し指の情報を各3回登録。指紋情報はキーとなり、指先だけで買い物、ホテルでのチェックイン、免税手続きなどが可能となる。最後に暗証番号(PIN)を入力して登録が完了。また、船上では現金のチャージ、人力車や移動型エンタメバス体験の事前予約も可能だ。
浅草に加え、関東実証エリアで指紋認証による決済が可能
指紋認証の一括免税トライアルも実施
訪日外国人旅行者は、登録した指紋情報により、浅草はもちろん、関東実証が行われているエリアで決済が可能だ。関東実証は当初、湯河原・箱根・鎌倉でスタートしたが、「草津、菰野、福岡といったエリアにも広がっています」とLiquid Japan 代表取締役 保科秀之氏は話す。浅草の実験では宿泊施設でのチェックインは実施していないが、湯河原のホテルでは登録した指による指紋認証で、宿帳に記入する必要なくチェックインができるサービスを実施している。
また、今回の浅草の実証では、店舗での指紋での決済に加え、訪日外国人観光客が購入した免税対象商品の情報と、登録したパスポート情報を紐付けて免税書類の作成も可能だ。
なお、今回のモニターツアーではLiquidのほか、多言語インフラ構築サービス「LiNGO」でAppGT、羽田空港から隅田川船着場までの舟運でケーエムシーコーポレーション、Wi-Fiサービスでワイヤレスゲートとフォン・ジャパン、外貨紙幣での買い物「外貨引受けサービス」でマネーパートナーズ、観光アプリ・免税システムでマネーパートナーズソリューションズとユニフィニティー、「船上エンターテインメント」「サムライ&忍者サファリ(移動型劇場バス)」「人力車」でセグラスツーリズムエージェンシーが協力している。