2017年2月27日15:02
Visa Inc.は、英国時間の2017年2月21日、2017年末までに欧州の12カ国以上でVisaトークンサービスが導入されることを発表した。同サービスは、消費者のカード情報をデジタル識別子に置き換えることで、モバイルおよびオンライン決済を行う技術である。
同技術はすでに、フランス、アイルランド、ポーランド、スイス、英国など全世界の27カ国でモバイル決済の仕組みを支えており、金融機関のパートナーも1,300社を超えている。Visaはクライアントやパートナーと協力して同技術の採用をより多くの国々へ、そしてオンライン決済へと拡大している。
Visaトークンサービスは2014年にVisaが開発した技術で、Apple PayやAndroid Payなど一般的なモバイル決済サービスを支えており、消費者が安全にモバイルデバイスにカード情報を取り込み、アクセスできるようにしている。同技術はVisaのIoT(Internet of Things)構想の中核に位置し、スマートフォン、タブレット、ウェアラブルデバイス、あるいは自動車や家電など、あらゆるコネクテッドデバイスで利用できる。
欧州では120万を超える加盟店が、店舗においてカードとモバイルデバイスでの非接触決済に対応しており、欧州のVisa会員による50億件超の非接触決済取引につながっているという。これは、対面の小売店舗でVisaが処理している全取引の32%に相当する。
ミュンヘンにIBMの新しいIoT Watson Research Centerがオープンした際、VisaとIBMのグローバルコラボレーションが発表された。同コラボレーションは、2020年までに世界中に広がりが予想される200億ものコネクテッドデバイスに、決済および取引機能を安全に組み込むという、両社共通のビジョンと信念に根差しているという。
Visaでは両社のコラボレーションの一環として、IBMのWatson IoTクライアントが、Visa Readyパートナーシッププログラムに含まれるトークンサービスプロバイダー(TSP)ネットワークを通じてVisaトークンサービスにアクセスできるようにする予定だ。