2018年3月20日8:00
若いビジネスマンなど、新たな顧客層の取り込みに手応え
髙島屋は2017年10月、ソニー銀行との提携による「タカシマヤプラチナデビットカード」の発行を開始した。年会費3万円ながら、髙島屋、ソニー銀行が提供する最上位のサービスが受けられるデビットカードとなっている。髙島屋ではこの取り組みを通じ、新しい顧客層の取り込みに手応えを感じている。
髙島屋がソニー銀行と連携
各社の最上位のサービスを享受
髙島屋と髙島屋クレジットは、ソニー銀行と提携し、2017年10月9日より、髙島屋最上位のカードとなる「タカシマヤプラチナデビットカード」の発行を開始した。
「タカシマヤプラチナデビットカード」は、髙島屋の優待サービスと、外貨10通貨にも対応するソニー銀行のVisaデビット付きキャッシュカード「Sony Bank WALLET」が一体となったカード。髙島屋における最上位の優待サービスに加えて、ソニー銀行の優遇プログラム「Club S」の最上位であるプラチナステージの特典を1枚のカードで受けることができる。プラチナ機能が付いたデビットカードの発行は、百貨店業界初の試みである(髙島屋調べ)。
「タカシマヤプラチナデビットカード」の入会資格は、満15歳以上。ソニー銀行の口座を持つことが必要だ。髙島屋(日本橋店、新宿店、横浜店、玉川店、京都店、大阪店)店頭、髙島屋クレジットが運営するカードカウンター、および、髙島屋ホームページで入会申込ができ、年会費は税別3万円だ。
髙島屋での利用の場合、最大10%のポイントを付与。特価品、食料品でも3%のポイントが付与される。さらに髙島屋グループで3%、髙島屋以外の国内Visa加盟店でも2%のポイントが付く。ポイントは2,000ポイントごとに、2,000円分のお買物券と交換できる仕組みだ。髙島屋での利用の場合、ハウスクレジットカードの「タカシマヤカード」のポイント付与率は基本8%、年会費無料の「タカシマヤセゾンカード」では2%、また他社クレジットカードや現金払いでも利用できる「タカシマヤポイントカード」では2%であるから、「タカシマヤプラチナデビットカード」のポイント付与率は魅力が高い。
ポイント付与以外のサービスのラインナップも幅広い。一例を挙げれば、髙島屋店舗内のメンバーズサロンの利用、駐車場利用が1日5時間まで無料(一部店舗で異なる)、髙島屋での購入商品を数量・大きさにかかわらず自宅に無料配送、世界主要都市に設置されている「タカシマヤプラチナデビットカード トラベルデスク」の利用など。さらに、旅行やホテル、住まいなど日々の暮らしや特別な時間を豊かにする稀少性の高いサービスや特典も用意されている。
高額の買い物も与信不要に
ストレスなく決済できるのがメリット
髙島屋では従来の現金、クレジットカード決済に加えて、一部の電子マネー、インバウンド需要に対応するAlipay、WeChat Payなどを随時採り入れ、多様化する決済手段のニーズに応えてきた。しかし、現金払いの比率は、まだ大きい。また、キャッシュレス決済のほとんどをクレジットカードが占め、電子マネーやQRコード決済の比率はまだ小さい。
髙島屋には、現金主義のお客様も多い。クレジットカード払いの場合、高額決済に際しては与信が求められる。その点、デビットカードは預金残高の範囲内であれば、与信の必要がない。髙島屋 営業推進部 営業推進グループ 営業推進担当課長 菊地佳音美氏は、「即時決済で、現金感覚で使っていただけるデビットカードは、弊社のお客様との親和性が高いと考えています」と説明する。
新たな層を顧客として取り込むことに成功
認知の高まりとともに会員増に期待
髙島屋のいままでの購買客は女性比率が高く、年代別では50代以上のお客様が多いのに対し、「タカシマヤプラチナデビットカード」の会員は若い年代層比率が高めで、男女比はほぼ半々。新たな層を顧客として取り込むことに成功している。
会員の大半が、デビットカード未体験者。髙島屋 営業推進部 営業推進グループ 営業推進担当部長 萩原剛氏は、「使ってみて利便性を実感したという声を多くいただいています。タカシマヤプラチナデビットカードの認知度向上に伴って、会員が拡大していくものと期待しています」と語った。