2018年5月9日7:18
スターバックス コーヒー ジャパンでは以前からプリペイドカード「スターバックスカード」を発行してきたが、2017年9月より、これをWebに登録することによって参加できるロイヤリティ・プログラム「スターバックス リワード」の運用を開始した。個々の顧客に合わせた情報提供により、「スターバックスカード」の稼働率を高めると同時に、“つながり”の強化を図っていきたい考えだ。
Starが貯まるCRMプログラム
豊かな顧客体験を次の体験につなげる
スターバックス コーヒー ジャパンは、2017年9月20日より、同社初のロイヤリティ・プログラム「STARBUCKS REWARDS(スターバックス リワード)」の運用を開始した。同社が発行するプリペイドカード「スターバックスカード」を、スマホアプリ、もしくは、ウェブサイトからMy Starbucks登録することによって参加資格が得られる会員プログラムとなっている。
My Starbucks登録済みのスターバックスカードで商品を購入すると、50円ごとに1 Star(スター)が付与される。1年以内に250Starsを集めると、Gold Starを集められるステータスに移行。Gold Star150個で、Reward eTicketを1枚発行することができ、これを使って、全国のスターバックス店舗で、1枚当たり、ドリンク、フード、コーヒー豆などの商品いずれか1品(上限税抜700円)と交換できる。
Reward eTicketを使って商品を購入したいという顧客に対し、店舗スタッフは、「新商品を試してみませんか」「チケットの限度額内でこういったカスタマイズもできますよ」といった新しい体験を提案。スターバックス コーヒー ジャパン デジタル戦略本部 CRMグループ グループマネージャー 清水省吾氏は、「お客様の体験をStarやReward eTicket というかたちに変え、それがまた次の体験につながるというサイクルができあがっていくのです」と説明する。
会員には、Reward eTicketと商品の交換のほかにも、新商品の先行購入、限定商品の購入、コーヒーセミナーなどイベントの先行予約といった特典が提供される。2017年のクリスマスシーズンには、一般には販売されない特別なデザインのスターバックスカードが当たるキャンペーンや、地球環境に思いを馳せるためにライトダウンを行い、その時間内に商品を購入した会員に通常より多いStarをプレゼントするイベントなどが実施された。
現在、日本国内のスターバックスは1,300店以上。毎週500万人近くの顧客が来店する。「スターバックス リワード」実施の目的は、これら多くの顧客に対して、個々の顧客に合った、スターバックスでしか味わえない、豊かな体験を提供することだ。
My Starbucksでは、氏名、郵便番号、住所、電話番号、メールアドレス、性別、生年月日などの登録を求めている。これに、スターバックスカードでの購買履歴を加味することによって、顧客の嗜好や行動パターンが浮かび上がってくる。同社ではこれに基づき、パーソナライズされたコミュニケーションを取って、顧客とスターバックスの“つながり”を強化していきたいと考えている。
スターバックスカード利用者は着実に増加
先行導入した米国同様の普及を目指す
2018年1月末現在で、My Starbucksにスターバックスカードを登録済みの「スターバックス リワード」参加者数は、220万人以上。2017年9月のリワード開始直前の登録者数150万人から70万人増え、約1.5倍となった。スターバックスカードの発行枚数そのものも拡大し、これに伴い入金総額も増えている。
また、2016年5月にローンチしたiOSおよびAndroid対応の公式スマートフォンアプリのダウンロード数は、現在260万を超えているが、このうち約1割が、スターバックスカードとして支払いに使われている。
カードのタイプはバリエーション豊富でデザイン性に優れ、ギフトとしても人気だが、常に顧客が手元に携帯しているスマートフォンの中にあるモバイルカードタイプは、顧客へのベネフィットの提供という意味でも、つながりの強化という意味でも、今後ますます拡大が期待される。同社では「スターバックス リワード」提供開始に合わせ、商品情報、店舗情報の検索、決済、Starの確認や特典との交換をスムーズに行えるように、公式アプリを一新した。
先行して「スターバックス リワード」を導入したアメリカでは、1,330万人いる会員による商品購入が売上高の36%を占め、モバイルによる支払いがアメリカ国内の店舗における取引の30%を占めている。清水氏は、「日本においてもアメリカと同水準を目指したい」と意気込みを見せた。