2018年3月8日7:40
東京ビッグサイトにて2018年3月5日~9日まで、「第34回 リテールテックJAPAN2018」(主催:日本経済新聞社)が開催されている。会場では、決済やカードサービス関連のソリューションも数多く展示されている。
大日本印刷のブースでは、みずほ銀行やJCBとの連携により、銀行口座直結のデビットカードで「QUICPay+(クイックペイプラス)」加盟店での支払いを実現させた「スマートデビット」を紹介した。また、ICカード事業などで培ったセキュリティ技術や基盤を活用したセキュリティSIMを紹介。さらに、ゆうちょ銀行や日本郵便が展開するVisaプリペイドカード「mijica」などのプリペイドカードもPRした。
2018年2月末には、多様な決済手段やポイントサービスなどが利用でき、その情報を一元管理できる「DNPマルチペイメントサービス」のサービス拡張を発表。2018年4月にICクレジットカードと共通ポイントに接続し、サービス一体型の専用決済端末を発売。また、2018年夏には国内全ての汎用電子マネーへの接続も実現するという。
NTTデータの「CAFIS」はロゴを一新し、本展示会で公表した。CAFISのスマホ決済サービスである「CAFIS Pitt(キャフィス・ピット)」は、加盟店が顧客に発信するスマホアプリと連動した決済サービスを提供している。利用者が加盟店アプリをダウンロードして使用する。また、クレジットカード登録に加え、銀行口座から直結した決済も可能だ。支払いは、リアルに加え、インターネット決済にも対応している。さらに、CLOの「CAFIS Presh(キャフィス・プレッシュ)」やポイントサービスなどと連携したマーケティングも可能だ。
インコム・ジャパンは、プリペイド・ギフトカードのアクティベーションを国内外で展開している。今回の展示会では、同社のPOSA技術を応用して開始した、LINE Payの「LINE Pay」、NTTドコモの「d払い」、Tencentの「WeChatPay(微信支付)」などについて紹介した。すでにツルハドラッグ、ココカラファインなどの大手ドラッグストア、レンタルサービス大手のゲオで同社の技術が活用されている。
寺岡精工では、POSレジ、決済端末、決済ゲートウェイセンターの機能をワンストップで提供するサービスで、複数カード会社、電子マネー事業者との契約を同社が一括対応するクラウド型マルチ決済サービス「Payoss」を紹介。PCI DSS準拠の「TERAOKA決済処理センター」で処理が行われる“外回り方式”で非保持化に対応している。今回の展示会では、AlipayやLINE Payの決済デモを実施。Alipayでは、POSレジの画面に表示されるQRコードを読み取って、決済処理を行うスキームを構築した。
ビザ・ワールドワイドのブースでは、Visaの非接触決済をはじめとする、キャッシュレス社会実現に向けた多様な決済ソリューションを紹介した。国内でもTSUTAYAや日本マクドナルドを始め、Visa payWaveを採用する企業は増えており、カードへの搭載も進んできた。Visa payWave対応端末のラインアップも増加している。
また、3-Dセキュア2.0についても紹介。3-Dセキュア2.0ではイシュア側でリスク・ベース認証を利用して、EC加盟店にとってリスクの高い取引のみに対して追加認証を要求する仕組みとなる。追加認証の方式は、ワンタイム・パスワードなどの動的パスワードを推奨している。
東芝テックのブースでは各種決済ソリューションを紹介。POSレジをオムロンソーシアルソリューションズのPINパッドと接続したクラウドサービス、NTTデータのINFOX、日本カードネットワークJET-Sと接続するマルチ決済端末「CT-5100」を展示。NFC決済やQR決済、電子サインにも対応している。
セイコーソリューションズは、PCI PTS 5.xに準拠し、1台でさまざまな決済手段に対応可能なモバイル決済端末の新製品「AT-2300」を展示した。メイン画面に大きなタッチパネル液晶、背面にPINパッドを装備した端末となる。また、CREPiCO(クレピコ)決済センターと接続する無線決済端末「AT-5200」を紹介。同端末は、クレジットカード(IC/磁気)および銀聯カード(磁気)に加え、J-Debitカード決済や口座振替受付サービスに対応している。なお、同社では、P2PEソリューションの提供も予定している。
トランザクション・メディア・ネットワークスでは、リテールテックJAPAN2018に合わせて、さまざまな発表を行った。同社ではこれまで、シンクライアント型電子マネーのビジネスで数多くの実績を有しているが、新たにクレジットカード、J-Debit、QR決済サービスやハウスプリペイドカードサービスを展開する。クレジットカードや電子マネーなどに対応し、SRED対応の新端末「UT-X10」を投入する予定だ。また、NAYAXやGMOフィナンシャルゲートと連携した自販機向けの決済端末を展示。ウェアラブルデバイス「Cygnus」とモバイルPOSの「SPP100G」による屋外・移動向け新端末も紹介した。
オムロンソーシアルソリューションズのブースでは、クレジット取引のIC化を実現させる「ez PAD(イージーパッド)」を紹介。同ソリューションはPANの非保持化に対応しており、P2PEソリューションを提供可能だ。また、モジュールとして機器に組み込むこともできる。
ビリングシステムのブースでは、「WeChat Pay」のアクワイアリングサービスに加え、全国の金融機関で採用が進む「Pay B」、OTIのリーダーライターの取り組みを紹介した。OTIのリーダーライターはイオンディライトで採用されている。
PFUのブースでは、富士通エフ・アイ・ピーがハウス電子マネー付きポイントサービスについて説明を行った。同社では、ハウス電子マネーとポイントサービスの一体型ソリューションとなり、取り扱い額も倍増しているという。
富士通は、RFIDタグを商品に貼付し、ゲートを通過すると決済が可能なサービスなど、未来の流通店舗についてコンセプト展示した。
エムピーソリューションは、小売業向けのマルチ決済ソリューションを紹介。同社では、クレジットカードや複数の電子マネーを用いたコンビニ並みの電子決済を店頭やタクシー等に導入できる「KAZAPi」を展開している。今回の展示会では、各種電子マネー(リッチクライアント)、クレジットカード決済などのマルチ決済サービスに対応したPAX Technology製の端末との連携が紹介された。PAX Technologyは、世界規模で成長しているグローバル端末ベンダーだ。
日立製作所では、ウォークスルー型の指静脈ゲートで店舗の入り口で認証したユーザーが店舗内の画像解析で個別の導線を把握し、会計まで自動で行うシステムを参考出展した。会計時は、顧客のライフスタイルに応じて、値引きをするコンセプトを展示した。
エプソン販売のブースでは、Orange Operationのセルフレジ機能をモジュール化し、スマートデバイス、自動釣銭機などの周辺機器との連携を行った製品を展示した。
ヴィンクスのブースでは、AlipayやWeChat Payに対応した決済ソリューションを紹介した。
パナソニックでは、POS接続マルチ決済端末「JT-R600シリーズ」の黒モデルを紹介。日本の電子マネーに加え、EMVコンタクトレス決済にも対応している。
デンソーウェーブのブースでは、同社が独自開発したQRコードである「フレームQR」やセキュリティ機能を持つ「SQRC」を活用し、アララがもつ決済システムと連携するQRコード決済サービスの開発に着手したと発表した。デンソーウェーブの「フレームQR」と呼ばれる有効期限付きのワンタイムQRコードをPOSや決済端末上に表示し、専用のスマートフォンアプリで読み取ると、サーバに取引履歴・読取履歴が保存される仕組みで、セキュリティ性の高い決済サービスを実現できるとした。
凸版印刷は、デジタルスタンプを活用し、決済やプロモーション、マーケティングなどの複数機能を一括で提供するスマホ決済・認証サービス「マルチスタンプ」の提供を2018年6月下旬から開始する。数百万通りの認証パターンを用いることで高いセキュリティ効果を発揮し、商品券や回数券といった金券類の消し込みにも活用できるとした。
ネットスターズは、WeChat PayやLINE Payのアクワイアリングについて紹介した。POS機器大手の商米科技(sunmi)が開発したモバイル型決済端末「SUNMI V1」を日本仕様にカスタマイズし、日本の技適認証を取得して提供開始した「Star Pay」についても説明した。
金融POS、金融セルフサービス端末、ICカード機などを展開するFUJIAN LANDIは、同社の決済サービスについて紹介した。
Showcase Gigは、モバイルオーダーサービス「O:der(オーダー)」を国内で他社に先駆けて展開してきた。同社では、「O:der」の連携製品として、来店者が自ら店頭で注文・決済ができる自立型の端末「O:der Kiosk(オーダー キオスク)」を開発。今回はオムロンソーシアルソリューションズのモジュールを組み込んでおり、クレジットカード決済、PIN入力が可能だ。また、QRコード、バーコードの読み取りにも対応し、ポイントの付与や、パーソナライズされたクーポンやレコメンドメニューの表示なども可能となる予定だ。
タイトーでは、マースウインテックと共同でブースを出展。今春から予定する無線型電子決済サービスについて紹介した。
台湾・Castles Technologyのブースでは、ジィシィ企画がSATURN1000F 5.5インチフルタッチ次世代モバイル端末、SATURN1000 Elite 薄型モバイル決済端末などの同社決済端末について展示、紹介した。
IDTECHは、クレジットカード情報の入力に特化したテンキーパッド「SREDKey」を紹介。すでに決済代行事業者のルミーズと連携し、クレジットカード情報非保持化ソリューションを提供すると発表されている。
三菱UFJニコスとJR東日本メカトロニクスのブースでは、J-Mupsについて紹介。J-Mupsセンターに接続するタクシー決済端末「決済PAD-LK01」は2018年度に発売予定だ。
日本NCRは、セルフレジ「NCR Fastlane SelfServ Checkout Release 6J NCRフレックスセルフ」、モバイルを活用し、レジ待ち時間の短縮を実現するソリューション「NCR Fastlane モバイルショッパー」などを展示した。
グローリーのブースでは、日本電子決済推進機構が2018年4月2日から開始するJ-Debit「キャッシュアウトサービス」のデモを行った。また、同社の顔認証技術は、UCカード等が台場で実施する「UC台場コイン」の実証実験でも採用された。
Posiflex Technologyは、タッチスクリーン型のKIOSK端末を展示した。クレジットカード(EMV)、日本の電子マネー、デビットカード、非接触型ICによるクレジットカード(コンタクトレスEMV、Apple PayなどのNFC決済)に1台で対応するフライトシステムコンサルティングのマルチ決済端末「Incredist Premium(インクレディスト・プレミアム)」と連携するモデルを展示した。
TIプランニングのブースでは、カード決済の啓蒙書「カード決済&セキュリティの強化書2018」を配布している。