2010年10月5日12:18
「地域で囲い込め!ICカードのポイント・販促活用に迫る」~国立市商工会(2)
リスタート後は貯めたポイントの
買い物利用が大幅に上昇
9月末時点での加盟店数は171店舗。切り替え前に比べて約30の加盟店が減少したが、新規の加入店舗も約20あるという。
加盟店は会費として月額1,500円かかり、また1ポイント付与するごとに1.5円を商工会に支払う仕組みだ(エコポイントの原資負担は商工会)。逆に、加盟店でポイントが使われた場合は1ポイント1円として商工会から加盟店に支払われる。
9月末時点での登録会員は5万人強。旧カードからの移行会員は2万8,000人となっている。新カード移行後の傾向として、若い年代の会員が増えているそうだ。また、くにたちカードの時代からの変化としては、貯まったポイントを買い物で利用する人が多いという。ポイントの利用は100ポイント以上から使われる傾向にあるそうだ。
「旧システム時は累計100万ポイント弱の月もありましたが、リスタート後は毎月130~150万のポイントが利用されています。その理由として、1円から買い物ができるという告知が切り替え時にできたこと、従来のシステムに比べポイントの回収が簡単になったことが挙げられます」(猪俣氏)
なお、昨年度、加盟店で回収したポイントは2,276万4,896ポイント、チケット交換は736万712ポイントとなった。国立市商工会の今年度の予算では、1日当たり7万ポイント、1カ月に200万ポイントの発行を見込んでいる。
加盟店側でポイント2倍デーを自由に設定
商工会で購買情報を活用し加盟店に還元へ
新端末では付与するポイントを通常の2倍に設定する機能もある。それ以外のポイントアップに関しては、事前に商工会に申告することにより設定可能だ。
「店舗によっては、週の決まった曜日にポイントを2倍付与したり、雨の日にポイントをアップするような取り組みを実施しています。倍付けのキャンペーンを実施した日は売上がアップすることが多いです」(猪俣氏)
会員の住所や氏名、年齢などの個人情報は旧カードからそのまま引き継がれ、国立市商工会のセンターサーバで管理される。個人情報は基本的に加盟店側で閲覧はできないが、商工会では店舗ごとの来店者や購買動向を分析し、データを加盟店側に提供している。
「加盟店には半年に一回、来店者の年代や地域など、データ分析の結果を報告しています。興味を持った加盟店にはDMの配信やクーポン券の発行など、CRMへの活用を勧めています。すでに一社が、自社店舗でくにたちカードを使用した会員にDMを発送し、効果を上げています」(猪俣氏)
昨年はデータ分析の傾向などについて参加者を募り、勉強会も実施。なお、会員のメールアドレスも取得することは可能だが、まだまだ登録者数が少ないため、店舗から情報を配信するまでは至っていない。
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