2010年10月19日8:25
「地域で囲い込め!ICカードのポイント・販促活用に迫る」~杉並区(3)
FeliCaポケットの拡張性に期待
3年で50億の通貨流通を目指す
なお、同事業は「平成21年度杉並区行政サービス民間事業化提案制度」によりフェリカポケットマーケティングを選定し、取り組みを進めている。採択の理由としては、電子地域通貨カードに後から複数の機能を追加できるなど、「FeliCaポケット」のサービスの拡張性が評価されたという。
区では今後、カードや処理端末の持つ拡張性を活かし、インフラを民間の電子マネー事業者と共有し、双方の発展を目指す。同事業を通じてポータルサイトやデジタルサイネージなどのインフラを整備し、各店舗の販促活動を支援する。具体的には、ツイッターなどを活用し、情報発信を行い、店舗を支援することなどを検討している。行政サービスについても同カードに統合することで、行革を進め、区民の利便性向上を図る狙いだ。
また、日本円を単純に地域通貨に変えるだけではなく、貯まったポイントを寄付する仕組みをつくることで、区民の地域貢献活動を応援する。将来的にはボランティア活動などでポイントが貯まり、それを地域通貨に交換して区内の消費に還元したり、寄付により社会貢献できるような仕組みを構築する方針だ。同取り組みは、地域活動による支え合いのシステムであり、コミュニティの醸成と経済の発展を同時に実現すると区では期待している。
杉並区では来年秋から電子地域通貨事業を開始するが、まずは発行枚数1万枚、区内1,500店舗でのサービススタートを目指す。
「現在、なみすけ商品券の発行店舗は3,800店舗ありますが、電子地域通貨は5年以内に3,000カ所での利用を想定しています」(杉並区役所 区民生活部産業振興課 地域通貨担当係長 天海和彦氏)
杉並区では3年で50億円の通貨流通を掲げている。また、5年以内に区民55万人のうち40万人にカードを保持してもらいたいとしている。
⇒⇒⇒「地域で囲い込め!ICカードのポイント・販促活用に迫る」~杉並区(1)へ戻る