2018年10月4日19:13
楽しい注文体験とスタッフの働き方の向上を両立させるセルフレジとモバイルオーダーアプリ
カスタムサラダ専門店の「クリスプ・サラダワークス」を運営するクリスプ(東京都港区)と、飲食店向けの事前注文システムを展開するカチリ(東京都港区)は共同で、クリスプ・サラダワークスのキャッシュレス化を加速する。第一弾として、クリスプ・サラダワークス広尾店を完全キャッシュレス店舗として、2018年10月4日リニューアルオープンした。(ライター 小島清利)
飲食店で働くことをもっと楽しく
キャッシュレス比率70%、モバイル注文比率25%近くまで増加
クリスプとカチリの社長を兼務する宮野浩史氏が、クリスプ・サラダワークス広尾店で記者会見し、両社が進める飲食店のキャッシュレス化の狙いを明らかにした。
宮野社長は「飲食店の従業員は、キャッシュレス化によって、会計業務の負担が軽減されるだけでなく、余裕ができた時間を使って、お客様との豊かなコミュニケーションが可能になるはず。飲食店で働くことをもっと楽しくすることが目的だ」とキャッシュレスを導入するメリットについて話した。宮野社長は、クリスプの他店舗での横展開や、他社の飲食店への外販を積極的に進めていく方針だ。
クリスプは、デジタル領域で日本をリードする飲食チェーンを目指す棟目標を掲げ、2017年から、モバイル事前注文アプリ「クリスプAPP」を導入した。このアプリを使って、前もって注文しておけば、忙しい時間帯でも店で列に並ばず、自分のお気に入りの商品をアプリから注文し、好きな店舗でピックアップできまる仕組み。事前にアプリ上で決済は完了しているのでレジで待つ必要もない。
宮野社長は「アプリを使っていただいたお客様の反応は、たいへん好評だった。アプリを導入した結果、全店でキャッシュレス比率が70%、モバイル注文比率が25%近くまでそれぞれ増加した」と話す。こうしたキャッシュレス化の流れを踏まえ、クリスプ・サラダワークス広尾店では、「クリスプAPP」に加え、「キャッシュレス・セルフレジ」と「モバイルインストアオーダー(店内注文)」を導入し、完全キャッシュレス化を実現した。
クレジット決済はソフトウェア開発キット「CoineyKit」を採用
飲食店での注文体験をもっと楽しく
クリスプ・サラダワークス広尾店には、カチリと共同開発したキャッシュレス・セルフレジ3台を導入した。洗練さを意識したデザインの大きな注文画面を使い、シンプルな操作性でストレスなく注文できるように工夫した。画面上には、ブランドの世界観や背景となるストーリーも楽しんでもらえるようにする狙いもある。注文から決済まですべてセルフで、シームレスに行える。クレジットカード決済は、決済サービス会社、コイニーが提供するソフトウェア開発キット「CoineyKit」を採用した。
宮野社長は「このセルフレジを使うことで、お客様にワクワクした注文体験を楽しんでもらい、スタッフもレジ業務から解放されて、お客さまをアテンドしたり、会話を楽しむ余裕が生まれるはず」と話す。
さらに、同社は顧客に熱狂的なファンになってもらうことにより、ライフタイムバリューを高める経営を目指している。「セルフレジによる顧客行動のデータをリアルタイムにクラウド上で把握できるデータ・ドルブンな店舗を実現することで、経営者も目の前の数字に振り回されずに、本来的な従業員の適正な評価やお客様サービスの向上に労力を使うことができる」(宮野社長)という。
2タップで注文・決済ができるモバイルインストアオーダー
店舗での横展開に加え、外食産業向けの外販も進める
さらに、キャッシュレス化を推進するために導入したモバイルインストアオーダーは、店内で席に着いてから、レジの列に並ぶことなく、自分のスマホからアプリでサラダを注文する仕組み。慌てることなく、自分の好きな商品を選び、最短2タップで注文・決済ができる。食事中の追加注文はもちろん、荷物があったり、小さい子どもを連れていても、落ち着いて席からオーダーしてもらえるという。
クリスプは2014年に設立した。創業ブランドの「クリスプ・サラダワークス」は、カスタムサラダ専門店で、広尾店のはじめ、麻布十番、六本木ヒルズなど東京都心を中心に7店舗を展開している(2018年10月3日現在)。一方、カチリは、飲食店スタッフの働き方とお客様の注文体験を進化させることを目指した注文システムの開発会社。
クリスプとカチリは、キャッシュレス・セルフレジやモバイルインストアオーダーについて、クリスプ・サラダワークスの多店舗での横展開を進める方針。さらに、外食産業向けの外販にも力を入れる。外販先としては、第一段階として、5~10店舗程度をチェーン展開している外食企業がターゲットとなる見通しだ。
宮野社長は「注文・決済の進化は飲食店のキャッシュレス化を通し、お客様の注文と、従業員の働き方の両方を楽しくするほか、経営者にとってもライフタイムバリュー経営を後押ししてくれる」と話し、「三方よし」の仕組みであることを強調した。